約1000名が旅行代金を支払い済みの「(株)愛トラベル」が破産

 (株)愛トラベル(TSR企業コード:720200393、法人番号:8240001020684、広島市安佐南区川内6-44-32、設立1998(平成10)年6月、資本金5500万円、南波好紀社長)は3月10日、広島地裁に破産を申請した。申請代理人は田口靖晃弁護士(弁護士法人エムパートナーズ広島支所紙屋町総合法律事務所、同市中区紙屋町2-2-2、電話082-258-5481)。
 負債総額は債権者約1100名に対して約3億円。このうち、旅行料金を事前に支払済みの債権者は約1000名で、負債総額は約3000万円。

 1998年6月にバスツアーに特化した営業を開始し、ピークの2002年5月期の売上高は約20億円を計上した。その後、売上高は約14億円で推移していたが、2010年9月に総務省が貸切バス事業者に対し、指導・監督を強化したことで業容を縮小。2011年5月期の売上高は大幅に落ち込み、約9億8300万円と10億円を割り込み、その後も低迷が続いていた。2015年から自社の保有バス運行などで業績改善に取り組んでいたが、2019年5月期は「平成30年7月豪雨」に伴い運行停止や予約客からのキャンセルが発生し、売上高は約5億5000万円まで落ち込んだ。さらに、今年に入り、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響で、キャンセルなどが相次いだ事から事業継続を断念し今回の措置となった。
 なお、一般社団法人全国旅行業協会は3月11日、愛トラベルについて、「旅行業法の規定により旅行を申し込まれ事前に料金を頂いた方に対して弁済限度額が1100万円である」と記載している。

© 株式会社東京商工リサーチ