兵庫県で初の死者 新型コロナウイルス 死亡後に陽性確認

 兵庫県は11日、宝塚市の病院で10日に死亡した80代の男性から新型コロナウイルスが検出されたと発表した。県内で新型コロナウイルスの感染者が死亡するのは初めて。感染者が相次ぐ介護老人保健施設「グリーンアルス伊丹」のデイケア利用者だった。

兵庫県庁

 この男性は2月28日、38度を超える発熱で宝塚市内の医療機関に罹り一度帰宅した後、3月1日には熱が39度を超えて同じ医療機関に入院した。10日に死亡が確認された後で検体を採取したところ11日のPCR検査で陽性がわかったという。発熱をしてからは同施設を利用していないが、濃厚接触者については調査中としている。

 この男性のほか、「グリーンアルス伊丹」のデイケア利用者(70代男性)と、10日にすでに陽性が確認されている同施設の利用者を介護していた家族(40代女性)の2人の感染も新たに分かった。これで同施設の職員や家族を含め、関係者が8人感染したことになり、クラスター感染の可能性が高まっている。同施設はすでに休業しており、県は職員や利用者を対象に順次PCR検査を実施する方針。

 11日夜に会見した兵庫県の井戸敏三知事は「死亡された方には心からお悔やみを申し上げる。クラスターらしき源を封じ込めて、濃厚接触者をきっちりカバーしていくという対応をとり続けていくことが社会的感染にしないためには重要だ」と述べた。その上で「むやみに外出しないほうがいいかどうかは自分で判断してもらうことで、お願いをすることではない。それよりも経済への影響がどこまで深刻かが重要」と付け加えた。

会見する井戸敏三知事(11日夜=兵庫県庁)

 また、すでに感染確認されている神戸市東灘区の認定こども園に勤務する20歳代女性の父親が陽性となったことがわかった。神戸市立の学校園では15日までの臨時休業が続いているが、最大で10日間の延長が発表されている。

 これで死亡した1人を含め、11日の時点で県内の感染者は37人。

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