宗派超え祈りささぐ 鶴岡八幡宮で追悼・復興祭

3宗教が復興へ祈りをささげた祈願祭=鶴岡八幡宮

 神奈川県鎌倉市雪ノ下の鶴岡八幡宮で11日、「追悼・復興祈願祭」が行われ、神道、仏教、キリスト教が宗派を超え、東日本大震災による犠牲者を悼み、復興を願った。震災翌月から始め、今年で10回目。新型コロナウイルスの影響で例年より規模を縮小したが、神職や僧侶、司祭・牧師ら約80人が、被災地へ祈りを重ねた。

 震災が発生した午後2時46分に黙祷(もくとう)。境内で神職らは大祓詞(おおはらいことば)を斉唱、僧侶が読経し、司祭・牧師らは賛美歌を歌い上げた。参拝に訪れた人々も足を止め、ともに追悼し、焼香する姿も見られた。

 祈願祭は同八幡宮のほか、建長寺やカトリック雪ノ下教会など、毎年場所を変えて3月11日に行っている。主催した3宗教関係者でつくる「鎌倉宗教者会議」の事務総長で、浄智寺の朝比奈恵温住職は「距離は離れていても、被災地を忘れていない。今も苦しんでいる方々のために、祈り続けていきたい」と話した。

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