元アイドルの新人と国会議員が血みどろの闘い!? あたらしい党の代表選がオモシロすぎる!

「既存の政党と違う新しいことをアップデートしていくのが『あたらしい党』のはずなのに、今の党のやり方はぜんぜん新しくない……!」

元アイドルであたらしい党所属の渋谷区議、橋本ゆきさんが抱く日頃の党運営への危機感。これを同党代表・音喜多駿参議院議員にぶつけて実現したのが、今回の党の代表選挙です。音喜多氏は「クーデターじゃねえか!」と驚きながらも、「オープンな議論ができる良い機会になれば」と受け入れ、代表を辞任。

「あたらしいって何?」「既存の政党と協力するのはいけないこと?」2人の代表候補の歯に衣着せぬオープンな議論が話題を呼び、論戦の場となっている同党オンラインサロンの登録者も急増中といいます。

橋本氏の危機感はどこから来るのか?音喜多氏のねらいとは?お二人に聞きました。

 

「オープンなバトル、あたらしい党らしくて純粋におもしろい」橋本ゆきさん

選挙ドットコム編集部(以下、選コム)「今回、なぜ代表選の提案をされたのですか?」

橋本さん「あたらしい党は、時代や状況に合わせて政策をアップデートしていく『アジャイル政党』。既存の政党とは違う選択肢のはずなのに、最近は特に、既存の政党のようになってしまっているなと感じます。新しい選択肢という役割を貫かなくてはという危機感から、やるなら今、と代表選を提案しました」

選コム「既存の政党のようになってしまっているというのは、どういったところでしょう?」

橋本さん「音喜多さんご自身は、日本維新の会とあたらしい党とのダブル党籍なのですが、それは個人としては認めようと線引きしていたのが、この頃は党と党とのお付き合いになってきて、雲行きが怪しいなと…」

選コム「例えばどういったところでそれを感じますか?」

橋本さん「例えば、選挙の候補者を決めるとき。私は政策を貫き通すためにも、あたらしい党単独で出したいと考えています。音喜多さんは、まず議席を獲得しなくてはという考えて、既存政党と選挙協力して少しでも有利にしたいと」

選コム「なるほど。どちらの主張も一理ある気がします。その議論をオープンにしているのがおもしろいですね」

橋本さん「内部の話し合いではなかなか意見がまとまらないこともあるのですが、最近はいつの間にか、解決しないまま話しが進んでしまっていることもあって…。なんでいつの間にか進んでいるんだろう?このままでいいのかな?と危機感が募っていきました。

これがうやむやなままだと溝が深まってしまうと。今しかないと思って提案しました。そんなの生意気だ、とシャットアウトせず、受け入れてくれたのがあたらしい党の懐の深さですね。

どちらが正しい、間違っているではなくて、これをオープンにしてもらって、バトルするというのがあたらしい党らしくて、純粋におもしろいと思います」

 

選コム「もしこの選挙で党の代表になったら何をしたいですか?」

橋本さん「所属する議員一人一人のそれぞれの強みを発掘する『プロデュース会議』をしていきたいと思っています。一人一人に向き合って、それぞれの力を高めることで、党の魅力を高めたいです」

選コム「内部で選挙をすることで、分裂してしまうのではとの心配もありますが、代表選は党内にもいい影響を与えると思いますか?」

橋本さん「もし負けたら、そのあと自分の主張をものすごく我慢する事になると思うけれど、離党すると、私を支持してくれた人も離党することになって、党が分裂ということにもなってしまうので、それは避けたいと考えています。

代表になりたい!というのがメインではなく、課題がうやむやになっているのが嫌で、オープンに話したかった。代表選に落ちたからって、自分の考え方がかわるわけではないので、新体制の中でがんばっていきたいと思います」

 

 

「地域から社会を変えていく。その根幹は変らない」音喜多駿さん

選コム「今回なぜ代表選を行うことに?」

音喜多さん「あたらしい党は2018年に誕生した地域政党ですが、去年の北区長選挙で敗れたことがきっかけで大きな方向転換がありました。

今は、維新の会と選挙協力することもあるし、政策協力もしていこうという流れになっています。党内で、あたらしい党独自でやっていくべきだろうという意見も出ました。そんな中、橋本さんから、今は今後の党の命運を左右する重要な節目と、代表選の提案があり、オープンで議論するのはオープンな党の証明になる、と代表選を決めました」

選コム「維新の会との協力を反対する人は、どのようなことを懸念しているのでしょうか?」

音喜多さん「維新とは政策は近いけど、支持者の層が違う。維新派、強い男のマッチョなイメージがあると思うのですが、あたらしい層はソフトな層。その空気感の違いがもあり、協調してやっていけるのか?ということを心配しているのではと。

維新の政策は、ひとり親の支援など、多くの人が思っているようなマッチョなイメージとは違うものもあるのですけどね」

選コム「維新と協力することで、あたらしい党の独自性がなくなってしまうという懸念もあります」

音喜多さん「たとえば選挙の候補者をいつ発表しようとか、手続き的なことで勝手に決められないことはありますが、言論統制されているとか、そういったことは一切ありません。

また、違いがあるから離れるのではなく、一緒にやることで足りないことに気が付くこともある。政策の多様性という観点から、交わることで、違いを際立たせることができるベストな環境と考えています」

 

選コム「橋本さんは、そうした既存政党と協力すること自体が、あたらしい党らしくないと言っていますね」

音喜多さん「あたらしい党は、地域から社会を変えていくというのが核となる政策です。そのための手段である首長を取ることの必要性は大きい。社会を変えるという根幹に、ズレはない。

今の方向転換も、あたらしい党のかかげる『変化』の範囲内です。では、何を変えてはいけない根幹か、というのが議論の論点であり、価値観のぶつかり合いです」

選コム「それをオープンに議論しようというのが今回の代表選ということですね」

音喜多さん「はい。今回の代表選は、勝ち負けが目的でないんです。みんなが一致して新しい方向に向かっていくことが目的。勝ち負けは一つのプロセスに過ぎないのですね」

選コム「首長と一議員の違いは何ですか?」

音喜多さん「今の新型コロナウイルス対策でもそうですが、千葉市長やつくば市長など、若いリーダーが次々に国に先駆けて変化を起こしています。それを政党としてやっていきたいと考えています」

 

 

あたらしい党の代表選は、14日に行われます。

候補者の白熱したバトルの様子は、オンラインサロンで! 無料でも見ることができます。

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