メルセデスAMG、耐久性を向上させたGT4エボモデルを発表。アップデートキットも用意

 メルセデスAMGは3月11日、GT4マーケットに投入している同社のカスタマーレーシングカー『メルセデスAMG GT4』のエボリューションバージョンを発表した。耐久レースでのパフォーマンス向上に焦点が当てられたこのクルマは2020年3月にリリースされる予定だ。

 メルセデスAMG GT4は2017年の初登場後、翌2018年から本格リリースが開始されたGT4カーだ。デビュー戦となったVLN(現NLSニュルブルクリンク耐久シリーズ)で初優勝を飾るなどリリース直後から高い戦闘力をみせた。2019年にはバースレーシングプロジェクトの下で、日本のピレリスーパー耐久シリーズのST-Zに参戦しクラスチャンピオンを獲得している。

 そんなジェントルマンドライバー向けマシンの改良版となる2020年モデルでは、耐久性に関わるパフォーマンスの向上にフォーカスを当てた新しい設定特性と、技術的なアップデートが行われた。

 このなかにはエンジンとブレーキの冷却システムの改善も含まれ、ブレーキの摩耗を低減することで長時間、高温条件下でのドライバビリティが向上しているという。

 また、リヤアクスルのトラック・ロッド、フロントライトとリヤライトなど2020年モデルのメルセデスAMG GT3と多くのパーツを共有しているのもエボモデルと特徴のひとつだ。

 同モデルはすでにホモロゲーション登録が完了済み。今月中にも販売がスタートする。なお、既存車両向けにアップデートキットも用意されており、チームが車両を買い換えることなくエボモデルに置き換えることも可能となっている。

「2年前にGT4セグメントに参入したとき、我々の目標はすぐに勝つことができるクルマを作ることだった」と語るのは、メルセデスAMGカスタマーレーシングのステファン・ウェンドル代表。

「メルセデスAMG GT4の成果を見ると、私たちは見事にその目標を成功させたといえるだろう」

「我社のカスタマーレーシングチームが今後もこのような最高の成果をレーストラックで達成できるように、また、アジアや南米のような新しい市場での挑戦にも最善の方法で準備できるように、メルセデスAMG GT4をアップデートすることを決定したんだ」

「この新しいエディションでは、GT4セグメントの他のクルマにはない性能、安全性、経済性を兼ね備えており、カスタマーチームの要件に合わせてカスタマイズされている」

「強力なV8“Biturbo(ツインターボ)”エンジンにより、新しいメルセデスAMG GT4はトラックデーやオープンクラスのレースシリーズなど、主要な国際レースステージ以外の場所でも多くの楽しみを保証する」

「(このクルマによって)GT4カテゴリーで成功する未来のためのコースが設定されたんだ」

 メルセデスAMG GT4は2018年の発売以来、120を超える国にデリバリーされ、363レース中151のクラス優勝と、53の総合優勝を記録。GT4市場において、もっとも成功を収めているクルマのひとつだ。

メルセデスAMG GT4のエボモデル
2020年型メルセデスAMG GT4。顔つきは同年型のGT3モデルとは異なる。
メルセデスAMG GT4エボモデルのコクピット
既存モデル向けにアップデートキットも販売。導入することでMY2020とすることが可能だ。

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