校門前で授業中の児童事故死 当時の担任ら3人懲戒処分

平塚市立小学校での男児死亡事故を受け、懲戒処分を発表し謝罪する県と市の教育委員会担当者ら=県庁

 神奈川県平塚市立土屋小学校の正門前で授業中だった6年生の男児(12)=当時=が乗用車にひかれ死亡した事故で、県教育委員会は12日、男児の担任だった男性教諭(45)を停職1カ月の懲戒処分とした。事故発生から5年半近くが経過した時点の処分について、県教委は「第三者調査委員会の検証結果を待っていた」と説明した。

 監督責任として、当時の校長(60)を減給10分の1(6カ月)、教頭(65)を戒告の懲戒処分とした。

 県教委によると、事故は2014年10月に発生。図工の授業で男児が正門の外側で絵を描いていたところ、別の児童の送迎に訪れた保護者の車にひかれた。

 担任は安易に学校外での活動を許可し、安全を確保する対策を怠った。校長と教頭は学校内外の日常的な巡回を怠った上、正門前への保護者の駐車を黙認するなど安全管理が不十分だった。校長は男児の保護者に「学校の責任は一部」と発言するなどした。

 3教諭は現在も同市内の小学校に勤務しており、この春に定年退職する校長の女性は減給分に当たる5カ月分の金額を自主的に県に支払うという。

 一方、平塚市は同日、吉野雅裕教育長が給与の10分の1(1カ月分)を自主返納すると発表した。吉野氏は事故後の16年に現職に就いたが、「当時の校長らが処分されたことを重く受け止める」とした。

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