浸水リスク把握し避難を 横浜8区のハザードマップ完成

境川、大岡川水系の洪水リスクや避難方法などを示した各区のハザードマップ

 境川、大岡川両水系の洪水で影響が及ぶ範囲を示した横浜市内8区のハザードマップが完成した。最大級の雨による浸水エリアを強調したのが特徴で、市は「地域のリスクを知り、迅速な避難行動につなげて」と活用を呼び掛けている。

 市の洪水ハザードマップは区別に作られており、今回は中、南、磯子、港南、戸塚、栄、泉、瀬谷の8区が対象。両水系についてそれぞれ、最大規模の雨(境川24時間632ミリ、大岡川24時間332ミリ)と、堤防整備などの目標となる計画規模の雨(境川24時間302ミリ、大岡川1時間93ミリ)などによる浸水範囲を記載している。

 これまでに作られた他区のハザードマップは、頻度の高い計画規模の浸水予測図を大きくしていたが、今回は昨秋の台風19号の経験も踏まえ最大規模の予測図をメーンにし、リスクを強調した。

 境川水系は戸塚駅から大船駅にかけてのJR線沿いの一部で5メートル以上の浸水が予想され、瀬谷、泉区の西部も浸水エリアが広い。大岡川水系では、市営地下鉄線沿いを中心に市街地が広範囲に浸水することが示された。小中学校などの緊急避難場所も載せている。

 裏面では、メールやアプリなどを活用した情報入手方法、大雨の際に注意すべき点などを解説している。

 両水系の浸水想定区域内に立地する住宅や事業所は計約14万5千あり、市は2月下旬からマップの戸別配布を開始。市のウェブサイトにも掲載している。

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