高齢者にタクシー券を 波佐見の住民有志 町に署名4768筆

高齢者へのタクシー券配布を求める署名を手渡す荒木代表(左)=波佐見町役場

 東彼波佐見町の町民有志でつくる「波佐見町の高齢化社会を考える会」(荒木和幸代表)が、高齢者向けの交通対策としてタクシー利用券の配布を町に求める署名を集めている。荒木代表らが11日、町役場を訪れ、第1次集約分4768筆を一瀬政太町長に手渡した。
 同町は、2012年から予約制乗り合い交通「乗んなっせ号」を運行。町内のタクシー会社が週2回1日4往復、路線バス運行のない地域の停留所(159カ所)と町中心部のステーションを、片道一律200円で結ぶ。
 だが同会は「利用に事前予約が必要で、停留所も限られているため、高齢者には使いにくい」とし、川棚、東彼杵両町と同様に高齢者へのタクシー券配布を要望。開会中の定例町議会一般質問でも複数の議員が提言した。
 署名を受け取った一瀬町長は「高齢者の健康寿命を考えると、停留所から歩いたり、事前に電話予約したりするのも大切と思う。タクシー券は(要支援者、要介護者など)本当に必要な人たちに利用してもらえるよう検討したい」と述べた。町では高齢者を対象にアンケートをして、現状と課題を分析した上で、今後の交通対策をまとめる方針。
 同会は、町内有権者のおおむね過半数に当たる6500筆を目標に今後も署名を集める考え。荒木代表は「多くの賛同が得られ、感謝している。高齢者の日常生活のために前向きに検討してほしい」と話した。

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