現地3月12日に行われた2020年のWRC世界ラリー選手権第3戦メキシコの競技初日。3台のトヨタ・ヤリスWRCで挑むTOYOTA GAZOO Racing WRT勢では、前戦ウイナーのエルフィン・エバンスが総合2番手につけたほか、セバスチャン・オジエが総合6番手、カッレ・ロバンペラが総合8番手につけた。
シリーズ第3戦は南米メキシコの高地が舞台となるグラベル(未舗装路)イベント。大会は現地12日(木)朝にシェイクダウンが行われた後、同日夜にグアナファトの市街地を舞台としたSS1~2で開幕した。
WRCではヨーロッパ圏外での事前テストが禁止されているため、各チームは現地10時にスタートしたシェイクダウンで今季初めてメキシコの道路を走行。ここでマシンセッティングなどを最終確認した。
シェイクダウンは全長5.51kmのステージで、エバンスがトップ、オジエが3番手、ロバンペラが4番手とトヨタ勢全車が順調な仕上がりをみせた。
その後、現地20時過ぎに市街地でセレモニアルスタートが行われたあと、全長1.12kmの市街地ステージとしてSS1~2が行われた。
トヨタ勢では前戦の第2戦スウェーデンで優勝したエバンスがSS1~2ともステージ2位に入り、総合首位から1.1秒差の総合2番手に。
またオジエはSS1を5位、SS2を7位で終え、総合で2.5秒差の6番手。ロバンペラはSS1が8位、SS2が6位で総合では4秒差の8番手で走行を終えた。
「今晩の最初の2本のステージを問題なく走り終え、明日からの本格的な戦いに全車が駒を進めたことをうれしく思う」と語ったのは、チームでスポーティングディレクターを務めるカイ・リンドストローム。
「今朝のシェイクダウンはうまくいき、ドライバーたちはクルマとセットアップに満足していた」
「明日、金曜日のステージに、エルフィンは出走順トップという新たなるシチュエーションで挑むが、今朝のシェイクダウンでいいタイムを刻んだことは、大きな励みになるだろう」
トヨタ勢最上位につけたエバンスは「これほど多くの観衆が集うセレモニアルスタートは他になく、本当に素晴らしい雰囲気だった。すぐに2本のステージを走らなくてはならないため、セレモニーを心から楽しむことはできなかったかもしれないが、それでも素敵な経験だった」と述べている。
「2本のステージで2番手タイムを刻み、上々のスタートを切れたと思う。今朝のシェイクダウンでは、1番最初の走行時からいいフィーリングだった。クルマの感触も非常によく、全体的に満足のいく内容だったよ」
「とはいえ、とても長く厳しいイベントだから、トラブルなく全力を尽くして戦わなくてはならない」
オジエは「現在、世界が直面している状況を考え、今朝はあまり明るい気分になれなかった」と新型コロナウイルス(COVID-19)の状況を踏まえつつ、「それはひとまず忘れラリーに集中するつもり」とコメント。
若手ロバンペラは「この週末は多くの困難に直面すると思うけれど、本当にテクニカルで難しいステージだから、とにかくミスなく走ることが目標だ」と意気込みを明かしている。
本格的なグラベルバトルが始まる競技2日目の13日はSS3~12までの10SSで争われる。
計10本の合計距離は132.86km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は394.03kmだ。