開幕延期のメジャーリーグ 選手はキャンプ地離脱が可能に

日本時間3月14日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会によるミーティングが行われ、新型コロナウイルスの感染拡大により開幕延期が決定されるなか、選手たちはキャンプ地であるフロリダやアリゾナを離脱してチームの本拠地や自宅へ戻ることが可能となった。メジャーリーグ機構は発表した声明文のなかで「選手や球団関係者、そしてキャンプ地となっている地域のコミュニティのことを最優先に考えた結果である」と述べている。

選手たちには、(1)キャンプ地周辺にとどまる、(2)チームの本拠地へ戻る、(3)自宅へ戻る、という3つの選択肢が与えられることになる。レッドソックスのチーフ・ベールボール・オフィサーであるチェイム・ブルームは「キャンプ地にとどまる選手たちに対しては、施設を開放する予定となっている。キャンプ地にとどまる全ての人々にクリーンで安全な環境を提供できるように、あらゆる予防策を講じるつもりだ」とコメント。これと同様に、各チームでキャンプ地の施設が選手たちに開放される見込みだ。

大半の選手はキャンプ地にとどまってトレーニングを続けることを望んでおり、ザック・ブリットン投手によると、ヤンキースの選手たちは満場一致でキャンプ地にとどまることを決定したようだ。また、アメリカ国内で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、選手たちは不必要な移動を回避するよう通達を受けている。各チームとメディアとのあいだのやりとりも、電話による会見という形で行われることになっている。

シーズン開幕延期の決定以降の動きはチームによって様々であり、レイズ、マリナーズ、フィリーズはチームミーティングを実施。インディアンス、ブレーブス、アスレチックスは非公式の練習を行ったことが報じられている。レッズのメディア関連部門の副社長であるロブ・ブッチャーは、ユニフォームが暗いロッカールームにかけられたままとなり、椅子は全て空席で、テレビモニターの電源もオフとなっている様子の写真をTwitterに投稿。「(キャンプ地の)駐車場のゲートも閉まっていた。本当に空っぽなんだ。こんなの今までに見たことがないよ」とブッチャー。キャンプ地の様子を見て、前例のない異常事態であることを改めて実感したようだ。

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