アドレナリン未投与の男性死亡「因果関係はない」 佐世保、消防局が検証報告

 佐世保市の救急救命士が昨年12月、心肺停止の70代男性を病院に搬送中、心拍の回復を促すアドレナリンの投与を忘れ、その後男性が死亡した問題で、市消防局は13日の市議会総務委で、「未投与と死亡の因果関係はほぼない」とする検証結果を報告した。一方、投与の失念には問題があったとして3月中に救急対応のマニュアルを改定し、再発防止を図るとした。
 市消防局によると、救急救命士は、搬送開始時に現場の医師からアドレナリン投与を続けながら搬送するよう指示を受けたが失念した。因果関係は、医師や消防関係者でつくる検証委員会で議論。死亡した男性は搬送開始前にすでに計5回の投与を受けており、「薬剤の未投与が蘇生の有無に与えた影響はほとんどない」と結論づけた。
 市消防局は、救急対応のマニュアルを改め、医師の指示を複数人で情報共有したり、再確認したりするほか、救急隊員の教育を徹底するとしている。


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