【相模原殺傷】「一つだけ…」認められなかった植松被告の発言 判決後接見で明かす

判決公判が開かれた横浜地裁=3月16日午前、横浜市中区

 神奈川県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で入所者ら45人が殺傷された事件の裁判員裁判で、殺人などの罪に問われた元職員植松聖被告(30)が16日の死刑判決言い渡し後、横浜拘置支所(横浜市港南区)で神奈川新聞社の接見取材に応じた。「死刑に値する罪でない。受け入れるつもりはないが、仕方ない」と語り、控訴しない意向を改めて示した。

 接見取材は30分間。法廷と同じ黒いスーツ姿で面会室に現れた被告は時折笑顔を見せながら、終始穏やかな口調で質問に応じた。

 この日、青沼潔裁判長が死刑判決を言い渡して閉廷を告げた直後、被告は証言台の前で突然手を挙げ「すみません。一つだけ」と言って発言の機会を求めたが、認められなかった。

 記者が何を言いたかったのかと問うと、被告は「『世界平和に一歩近づくにはマリフアナが必要です』と言いたかった」と説明。その意図については「マリフアナを使えば、意思疎通できなくなったら死ぬしかないと気付けるようになるから」と答えた。

 接見の途中には、「少し疲れましたね」と言い、首を手でたたくしぐさを見せることもあった。

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