楽天銀次&浅村も「よく捕るね」と驚き 本塁打キャッチに挑んだ野球女子と球歴15年捕手

「フリーRUNS」楽天編が行われた【写真:パーソル パ・リーグTV】

野球経験のある楽天ファン2名が挑戦

 楽天のキャンプ地・久米島で2月3日、パ・リーグオフィシャルスポンサーである総合人材サービスの「パーソルグループ」によるイベント「フリーRUNS(フリーランス)」が行われた。「フリーRUNS」はパ・リーグ各球団へのFA移籍体験として、春季キャンプで主力選手の練習をサポートする企画だ。

 交通費+宿泊費は全額支給という高待遇。グラウンドを駆け回った暁には賞金1万円とサイン入りグッズもプレゼントされるのだ。今回は「外野を駆け回り、銀次選手のホームラン性の当たりをキャッチしよう!」というテーマのもと、390件の応募者から選ばれた2名の「フリーRUNS」が久米島を訪れた。

 1人目は九州出身ながら楽天ファンの村川千穂さん。教育に携わる仕事をしながら、女子野球のクラブチームに所属する現役プレーヤーで「今日は夢を見に来ました!」と胸が高鳴る。2人目は、田中将大投手の入団をきっかけに楽天を応援するようになった秋田出身の飯詰智樹さん。「僕はずっとキャッチャーをやっていて、外野の経験はほぼゼロです」と話すが、野球歴15年という頼もしい球歴だ。

 午前11時に久米島野球場に出勤した2人はブルペンなどを見学すると、「フリーRUNS」に備えてキャッチボールでウォーミングアップ。球筋はともに力強く、フライを捕る練習では背面キャッチにトライするなど、だんだんと余裕が出てきた様子。それでも、練習を終えた村川さんは「どんな打球が来るか想像がつかないです」とドキドキ。

「ちょっと緊張してきました。銀次さんがどういう打球を打ってくれるか……」と話す飯詰さんは、過去に楽天生命パーク宮城のグラウンド整備のアルバイトをしていたそう。旧知の球団スタッフから「がんばれ! ケガはしないようにな」と声をかけられると笑顔を見せた。

銀次と通算180発の強打者も登場!

 全体練習が終わったメイン球場。銀次が2人の前に現れると、なんと浅村栄斗もサプライズで登場。参加者2人の緊張が高まるなか、浅村は「捕れるんですか?」と愛あるツッコミで場をなごませる。飯詰さんが「全球捕ります。捕ったらごほうびをください」とおねだりすると、銀次と浅村はニッコリ。村川さんも「2球に1球捕ります」と意気込み、元気よく外野へ走り出した。

 最初の打者は銀次選手。守備は1球ずつ交代で捕球するルールで「ホームラン性の当たりをキャッチしよう!」がスタート。

 声を掛け合いながら打球を追う2人。さすが野球経験豊富なだけあって、銀次の鋭い当たりにも懸命に食らいついていく。練習していた背面キャッチはならずとも、テンポよく飛んでくる球をしっかりグラブに収めていき、銀次も「よく捕るよね」と感心しているようだった。銀次のラスト1本になったところで、見守っていた浅村から「捕ったらごほうび!」と声がかかる。決して簡単ではない打球だったが、村川さんが走りながらキャッチしてみせた。

 打者が浅村に交代すると、銀次とは違った打球が飛んできた。浅村らしいグンと伸びる打球に苦戦する2人。それでもだんだんと打球に慣れてきて、ホームランキャッチが成功すると、銀次も思わず「うまい」とこぼしていた。すると、浅村が意図的に大きなフェンスオーバーをかっ飛ばす。飯詰さんは「ホームランやん!」と驚き、銀次は「エグい」と大笑い。

グラウンドを駆け回る夢のFA移籍を終えて

 最後の1球を迎え、再び浅村が「捕ったらごほうびね!」と宣言。まずは、飯詰さんがライナー性の当たりをグラブに収めた。しかし、村川さんは疲れもあって落球。泣きの1球を浅村が放ち、銀次は「後ろー!」とアドバイスするが、これも惜しい結果に。しかし、諦めない村川さんは「もう1本!」のリクエスト。この日最後の1球を浅村が打ち上げると、高く上がった打球は村川さんのグラブに吸い込まれていった。

 約10分外野を駆け回った「フリーRUNS」の顔は紅潮し、大粒の汗がきらり。浅村は「普通に捕るのでびっくりしました」、銀次は「ドライブ回転のボールも捕れるので上手でしたね」と称賛。賞品のサインボールに加えて、約束の“ごほうび”として銀次選手からリストバンド、浅村選手からはバッティンググローブが贈られた。

 イベントを終えた飯詰さんは「間を空けずに打ってくださったので、かなり走りましたし、普段運動してなかったから足が動かなくて相当疲れました。でも楽しかったです。銀次選手の打球はライナー性。浅村選手は高い打球で、ただ高いのではなく伸びてくる。プロってやっぱりすごいという印象です」と瞳を輝かせる。

 村川さんは「すごく疲れたんですけど、あっという間ですごく楽しかったです。普段プロ野球を見て夢をもらっていますが、私は今子どもに関わる仕事をしているので、子どもたちにも夢を持ってもらえるような指導者・教育者になっていきたいと思います」と、夢の体験から刺激を受けたようだった。(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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