天然アユで知られる球磨川で稚アユの遡上[そじょう]が本格化し、球磨川漁協は12日、河口付近で捕獲した稚アユの放流を人吉市で始めた。
球磨川にはダムや堰が点在し、稚アユが自力で遡上できないことから同漁協が毎年この季節に上中流や支流で放流している。
この日、組合員12人が八代市の球磨川堰で八代海から遡上してきた体長5~6センチの稚アユ約1万匹を捕獲。トラックのいけすに移し、人吉市の球磨川下り発船場近くに運んだ。
発船場近くでは、ホースを伝って稚アユが放流されると、川の中を勢いよく泳ぎだした。組合員の田頭[たどう]武義さん(80)=同市=は「初日にしては稚アユがたくさん取れた。放流数は昨年より多くなりそう」と話した。
同漁協によると、昨年の放流数は育成稚魚を含め約156万匹で、今年は250万匹が目標。放流は5月中旬まで続け、アユ漁は6月1日に解禁される。(小山智史)
熊本日日新聞 2020年3月14日掲載