柳楽優弥、三浦春馬、有村架純が「太陽の子」に込めた思い

柳楽優弥、三浦春馬、有村架純が共演する、特集ドラマ「太陽の子」がNHK総合、BS8K、BS4Kで8月15日(午後8:15)に放送されることが発表された。

ドラマは、新型爆弾の開発を命じられた科学者の苦悩を描く青春群像劇。史実を基に描く、若者たちの戦争の悲劇の物語だ。

第2次世界大戦末期、京都大学の物理学研究室に海軍から下された密命は、核分裂のエネルギーを使った新型爆弾を作ること。日本を救うため研究を進める一方で、科学者として兵器開発を進めるべきなのか苦悩する研究者たち。研究好きの石村修(柳楽優弥)は、純粋に実験に取り組もうとするが、時代の波に翻弄(ほんろう)されていく。弟の石村裕之(三浦春馬)もまた、戦争の真実に向き合わざるを得ない。そして、兄弟がひそかに思いを寄せる朝倉世津(有村架純)は未来を語ろうとするが…。

時代の波に翻弄される研究者・修を演じた柳楽は「科学は人間にとって善にも悪にもなり得る。きっと主人公も思い悩んだであろう問題に、僕自身も真剣に向き合いました。この役を演じることへの責任を今でも感じています。全スタッフ、全キャスト一丸となって丁寧に取り組んだ作品です」と作品への思いを語る。

兄弟に思いを寄せられる世津を演じた有村は「人が亡くなる悲しみよりも、明日は自分が死ぬかもしれないという恐怖。次第に何事にも無感動になり人間としての感覚がまひしていく。明日を、今日をどう生き抜くか、人々が必死に毎日を耐え忍んだそんな状況下でも、いくつもの美しい朝を迎え、澄んだ空を見上げた人々がいたはずだと私は思いました」と物語の感想を話す。

そして、「戦争が起きていることがうそみたいに、その時ばかりは一瞬でも忘れられる。世津はその1人。今日を生きたことを後悔しないように、毎日訪れてくれる日常をいとおしくかみ締めた女性。そう生きることが彼女なりの覚悟として捉え、演じました」と役柄について解説。さらに、「飲み込んだ言葉もきっとたくさんあったはず。戦争を経験していない、生きたことのない時代をイメージするには限界があるかもしれませんが、女性のすごみはいつの時代も変わらずにあるということを学びました」とコメント。

修の弟・裕之役の三浦は「散ることを見据え、残された日々をどう過ごすべきか…家族に対して気丈に振る舞う学徒出陣兵がどれだけつらかったか…。若くして、自分が居ない未来に希望を託す青年の思いを、役を通して考えさせられました」と明かし、「世界で唯一の被爆国の日本ですが、私たち日本人も原子力爆弾を用いて戦争を終わらせようとしていた事実を、この作品で私同様多くの方が知ることになった後、今まで以上に日本が平和と希望を願える美しい国になるよう祈ります」とメッセージを寄せている。

なお、テレビドラマ版とは異なる視点で描いた国際共同制作映画「太陽の子」(公開日未定)も制作が決定している。

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