春の人事異動6月に 新型コロナ感染予防で秦野市 定年・早期退職も後ろ倒し

秦野市役所

 神奈川県秦野市は17日、4月1日付の定期人事異動を6月1日付に延期する、と発表した。市は新型コロナウイルスが終息しない中、職員に引き継ぎや異動の負担を掛け、感染リスクが高まるのを防ぐためなどと説明する。定年や早期の退職日も2カ月後ろ倒しし、それに伴って人件費が計約1200万円増えるという。

 県市町村課はウイルスの感染予防のために人事異動を延期した例は「聞いたことがない」としている。

 延期の対象は市消防局と、市立幼稚園とこども園を除く全職員。消防局は市消防署西分署の救急隊1隊を増員するため、幼稚園やこども園は年度途中の職員の異動で園児に心理的ストレスを与えないため、対象外とした。

 5月の大型連休明けに異動を正式に内示。内示も異動日1週間前だったのを半月ほど前にし、余裕を持たせた。

 延期に伴って、人件費もかさむ。今月31日付を予定していた8人の退職日を同意を得た上で5月31日付に後ろ倒しにし、4、5月分の給与と期末・勤勉手当(夏のボーナス)を支給。その総額は計約1200万円に上るという。

 一方、任期満了に伴う宮村慶和副市長の退任日は今月31日付で変更せず、副市長は当面、高村栄二副市長1人となる。

 高橋昌和市長は神奈川新聞社の取材に「4月の人事異動を必要最小限にとどめることで市政運営を安定し、市民の安全安心を最優先に取り組む」と説明した。

© 株式会社神奈川新聞社