十八親和銀行 トップ人事 両頭取「2人で」強調 ライバル行の一体感を印象付け

合併準備を加速させると決意を述べる森氏(右)と吉澤氏=長崎市銅座町、十八銀行本店

 10月に発足する新銀行「十八親和銀行」の頭取と会長人事を発表した17日の記者会見では、両行トップの言葉に互いへの配慮がにじんだ。十八銀行頭取の森拓二郎氏と親和銀行頭取の吉澤俊介氏は共に「2人で」と強調し、県内トップを争ってきたライバル行の一体感を印象付けた。新型コロナウイルス対策にも全力を注ぐ。

 「共に生え抜きで地元の方とも深く関わっている。2人でスタートした方がいいという判断」。新銀行の頭取に就く森氏は、親会社のふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の決定の意味合いをこう説明した。
 「長崎に全力」のスローガンを掲げ、スタートする新銀行。本店は長崎市銅座町にある十八銀の本店に置く。吉澤氏は「佐世保から本店がなくなり寂しい、との声も聞く」とした上で「(私が)“佐世保代表”として会長をした方が喜ばれるのではないか」と話し、依然として佐世保が重要拠点との位置付けを強調。森氏も「(吉澤氏に)業務の執行も担ってもらう。佐世保のことは任せたぐらいの気持ち」と述べ、地元との関係性に信頼を寄せた。
 新型コロナウイルスの感染が広がり、社会経済情勢は不透明感が増す。両行は2万事業所ある取引先を1社ずつ訪問。既に「影響がある」「今後影響がある」と答えた1割弱から融資の相談を受けているとし、吉澤氏は「お客さまと向き合い金融支援だけでなく、いろんな面でサービスできると思う」と新銀行としての意気込みを語った。

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