「融和進んだ」「県南北つなぐ役割を」 関係者、期待や注文 十八親和銀行トップ人事

 「融和が進んだ」「県南主体にならないで」-。新銀行のトップ人事が決まった17日、長崎、佐世保両市の経済関係者や、十八銀行と親和銀行の行員からは、期待の声や注文が上がった。
 長崎国際観光コンベンション協会の村木昭一郎会長は、十八、親和両行から集めた新銀行役員の顔触れを見て「本格的に融和が進んだ」と評価。県内経済が新型コロナウイルス感染拡大の打撃を受けているのを踏まえ「こういう時期だからこそ、統合効果を発揮し、窮地に陥っている地元中小事業者を支えてほしい」と求めた。
 西海みずき信用組合(佐世保市)の陣内純英理事長は、両行から会長と頭取を出した点を「バランスの取れた人事」とみる。その上で「今は共通の敵はコロナ」として、共に地域のために尽くすことを呼び掛けた。
 両行の行員からもさまざまな反応が聞かれた。十八銀の20代女子行員は「頭取が変わらなかったので違和感はなかったし、早めに分かって安心した」と感想。親和銀の50代男性行員は「妥当な人事だ」と理解を示す。ただ、「人事評価など、これまで続いていた部分が途切れてしまわないかは不安」と漏らした。
 一方、佐世保市のある経済関係者は、十八銀から頭取が選ばれた点に触れ「本店も長崎市にあり、県南が主体にならないようにお願いしたい」とくぎを刺す。会長に就く親和銀の吉澤俊介頭取には「もともと経済的に独立していた県南と県北の地域をつなぐ役割を期待したい」と語った。

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