【長野】日本最古の神社の1つ「諏訪大社」の4つの個性的な建物を巡ろう!

長野県の諏訪大社とは?

長野県の諏訪湖近くにある「諏訪大社」は、日本最古の神社の1つで、起源は1500~2000年前と言われています。諏訪大社には水の神・風の神が宿るとされており、日本には諏訪の神が蛇や龍の形で登場する伝承や民話が数多く残っています。

諏訪大社のオススメポイントは、個性豊かな4つの社の周遊が楽しめることです。

諏訪大社の個性的な4社の建物と御朱印

諏訪大社の4社は、建物の装飾や色などが少しずつ異なります。日本では珍しい、お湯の手水(ちょうず)舎や、日本最大の青銅製の狛犬がある社もあり、見どころたくさんです。四社まいりの間には、日本の伝統的な町並みも楽しむことができます。

4社では、それぞれ異なる御朱印を頂くこともでき、すべてを集める人も多くいます(※1)。

諏訪大社は、下社(しもしゃ)の2つの社と、上社(かみしゃ)の2つの社が離れた場所にあります。どちらかというと下社側に見どころが多いため、本記事では下社秋宮(あきみや)→春宮(はるみや)→上社本宮(ほんみや)→前宮(まえみや)という形で周遊するコースを紹介します。

下社春宮と上社本宮の間はバス、タクシー、電車で移動できます。アクセスは記事末尾に紹介していますので、ぜひチェックください!

下社秋宮

下社秋宮(しもしゃあきみや)の鳥居周辺は木々に囲まれ、落ち着いた雰囲気です。

境内を進むと、神楽殿と呼ばれる建物が見えてきます。

神楽殿は、神様に舞を奉納したり、祈願を行ったりする建物です。脇には1.7メートルもの巨大な狛犬が控えています。青銅製の狛犬では日本最大と言われています。

縄は大注連縄(おおしめなわ)と呼ばれ、長さ7.5メートル、重さ900キログラムもあります。神楽殿は日本の重要文化財です。

さらに歩くと、幣拝殿(へいはいでん)と呼ばれる建物が見えてきます。参拝者が参拝したり、神職が祭祀を行ったりする建物です。こちらも日本の重要文化財に指定されています。

参拝時には、神社の参拝の方法に関するMATCHA記事も参照ください。

境内には、日本では珍しいお湯の手水舎があります。湯口は竜神伝説にちなんで龍の口の形をしています。流れ出るのは、少し熱めの天然温泉。長寿湯とも呼ばれます。湯気が立ち上る厳かな雰囲気を、ぜひ実際にご覧ください。

下社秋宮から春宮への町歩き

下社秋宮から、次の下社春宮(しもしゃはるみや)へ向かう道沿いには、日本らしい古い町並みが広がっています。マップ(日本語のみ)もあるのでご参考に。

この地域は、下諏訪(しもすわ)と呼ばれています。ここでぜひ立ち寄ってほしいのは「宿場街道資料館」。入り口の前にある立派な松の木が印象的です。

下諏訪は江戸時代に栄えました。宿場は、宿泊や治安など、さまざまな側面において下諏訪で重要な役割を担っていました。ここでは当時の生活をイラストやレプリカで展示していますので、日本語が分からなくても楽しめます。

こちらは、資料館の入り口近く。現在でいうホテルのロビーだった場所です。

日本を代表する浮世絵師、歌川広重(1797~1858)が当時の様子を描いた作品のレプリカが展示されています。

当時は宿場同士で組合をつくっていました。組合が設けた厳しい基準をクリアした宿には、その証として大きな立て札が与えられました。その当時の立て札も展示されています。

下社春宮

下社秋宮から町歩きを楽しみながら20分ほど進むと、下社春宮に着きます。

春宮の西側にはきれいな砥川(とがわ)が流れています。砥川から5分ほど歩くと、「万治の石仏」(まんじのせきぶつ)と呼ばれる石像が見えます。

「万治の石仏」には、「物事を丸く収める」「願いを聞き入れてくれる」というご利益があると言われています。石仏の周りを願い事を心で唱えながら時計回りに3周すると、願い事がかなうと言われています。

上社本宮

続いて、上社本宮(かみしゃほんみや)を紹介します。下社春宮から上社本宮への移動は、記事末尾のアクセスをご確認ください。

上社本宮には、歴史的な建造物が4社の中で一番多く残っています。上社本宮は諏訪造(すわづくり)と呼ばれる建築様式の代表的な建物で、壮麗な彫刻が見事です。

上社本宮では、布橋(ぬのはし)と呼ばれる回廊を通って御社殿(ごしゃでん)へと向かいます。

境内のほぼ真中には、東宝殿、西宝殿という2つの茅葺の建物があります。こちらは、上社本宮の幣拝殿です。

上社本宮では、諏訪大社に代々伝わる宝物を展示している宝物殿もオススメです。

例えば、鉄製の大型の鈴6個を一組にした佐奈伎鈴(さなぎの鈴)。これはもともと、神と人との間を結ぶ特別なとき、つまりお祭りの際にしか鳴らされなかったものです。

江戸時代の御柱祭(※2)の模様を描いた全長32メートルもある絵巻もあり、見るだけでも諏訪大社の歴史を感じられるでしょう。

上社前宮

上社前宮(かみしゃまえみや)は、諏訪の神への信仰が発祥した地と伝えられています。

上社前宮の周辺には、守矢(もりや)家が住んでいました。彼らは、諏訪の神官の中で唯一狩猟を許されていた一族です。狩猟は鹿やイノシシを生贄として神に捧げるための大切な神事でした。狩猟で得られた肉は、古代の人々にとっての食料としても重宝されていました。

上社前宮は4社の中でもっとも小さいですが、参拝をすると、長い歴史が醸し出す神聖な雰囲気に包まれるように感じます。

上社前宮は、豊かな水や日差しが得られる高台にあり、天気が良い日は、気持ちよく過ごすことができます。手を清める手水は川と一体化していて、とてもきれいです。

守矢家の歴史に興味がある方は、上社前宮から徒歩10分程度の距離にある「神長官(じんちょうかん)守矢史料館」に寄ってみましょう。守矢家が行っていた狩猟や神事を再現したレプリカが展示されています。

諏訪大社のアクセス

下社秋宮の最寄り駅であるJR下諏訪駅までは、東京の新宿駅から特急に乗って約2時間10分、約6,000円で行くことができます。JR下諏訪駅から下社秋宮は、徒歩10分です。

下社秋宮から下社春宮までは徒歩25分ほど。タクシーでも行けますが、町歩きを楽しみたい人は、ぜひ歩いてみてくださいね!

下社春宮から上社本宮へ行くにあたっては、まずJR下諏訪駅へ戻りましょう。徒歩だと20分ほどです。JR下諏訪駅から上社本宮の最寄りであるJR茅野駅までは12分、約250円となります。バスあるいはタクシーの場合は約30分です。

上社本宮から上社前宮までは徒歩25分となります。上社前宮からはJR茅野駅には、徒歩40分ほどで戻ることができます。

レンタカーで行くと、より自由に周遊を楽しめますので、ぜひご検討ください。

四社まいりの地図は、諏訪大社の公式HP(日本語のみ)にも掲載されています。日本人からも大人気の諏訪大社、ぜひお参りしてみてくださいね。

In cooperation with 諏訪大社

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