日本アルプスを一望!絶景スポット・霧ヶ峰高原と車山をハイキング

日本アルプスの景勝地:霧ヶ峰(霧ヶ峰高原と車山)

飛驒山脈(別名:北アルプス)、木曽山脈(別名:中央アルプス)、赤石山脈(別名:南アルプス)の3つの山脈が並ぶ、中部地方の日本アルプス。美しい景色と珍しい高山植物が楽しめ、ハイキングにもってこいの場所として知られています。

日本アルプスのなかでもぜひ訪れたいのが、長野県・霧ヶ峰にある八ヶ岳中信高原国定公園内の霧ヶ峰高原と、公園内でもっとも高い車山これらは日本アルプスのちょうど真ん中あたりに位置し、ハイカーは道中、壮大な景観を思う存分楽しめます。

自然あふれる霧ヶ峰高原と車山へハイキングに出かけてみませんか?

絶景が見渡せる霧ヶ峰とは

霧ヶ峰とは、"霧の深い峰"という意味です。周りに霧が立ち込めることもあり、日によっては雲の中を歩いていくような体験ができます。

晴れた日に見える見事な景観も魅力のひとつ。峰にある車山の山頂は絶景スポットとして知られ、周囲の山々を一挙に眺めることができます。

車山の標高は1,925メートルと高く、木々が生える樹木限界線を超えています。見晴らしが木々に邪魔されることもありません。どの方角からも美しい山脈が見えます。

ハイキングで見える絶景: 湿地・アルプス・富士山まで

筆者は、八ヶ岳中信高原国定公園内の霧ヶ峰高原から車山の山頂に向けてハイキングをしました。公園内には複数の湿原が点在し、見逃してはいけないスポットがたくさんありますよ。

ハイキング中は土砂や岩などでいっぱいの道が多いので、かならずハイキング用の靴を持参しましょう。

まず筆者は、園内の車山湿原と呼ばれる湿原に立ち寄ることにしました。ツグミ、キジなど数々の鳥類をじっくり観察しました。この地域には鹿やイタチ、狐のほかさまざまな昆虫も生息していますが、今回出会えたのは鳥と蝶でした。

ハイキング中、霧ヶ峰高原では、草原や花々も見られます。写真の黄色い花・ニッコウキスゲは有名な高山植物。この花を見に、毎年日本全国から人々が押し寄せます。ちなみに、ニッコウキスゲの見ごろは6月頃です。

夏には、オレンジの花びらが特徴のコウリンカや、白い花をつけるアマドコロ、ピンクの鮮やかな花をつけるヤナギランなど、色彩豊かな植物に出会えます。

草原を超え山頂へと向かう道のりでは、息を呑むような景色につぎつぎと出会えます。富士山八ヶ岳山はもちろん、北、南、中央アルプスのすべてを一望できますよ。

やはり、ハイキングの一番の魅力はこの景観にあると実感。周囲にはグライダーの離着陸ゾーンがあり、道中、グライダーが上空を旋回する様子も見ることができました。グライダーが静かに滑空する姿はとても印象的。

今回実感したのは、想像していた以上に快適にハイキングできたことです。

険しかったトレッキングや下り道は、車山湿原とスキーリゾート地帯だけ。それ以外の道は、どれもゆるやかな傾斜で安心して歩けます。当初予想していたほど、道のりは過酷ではありませんでした。

休憩地点や神社を通り過ぎ山頂へ

何キロもの道を歩いた後は、道中にある休憩所で一休みしましょう。お手洗いのほか、アイス売り場、レストランやみやげ店があります。

昼食の後は、曲がりくねった道を辿りながら、車山の山頂へと向かいます。

山頂には、白いドーム型の球体がついたビルがあります。これは「車山気象レーダー観測所」といい、長野県の気候を観測するための施設です。

車山の山頂地点は、ほかの山々の標高をたしかめる"標識"のような役割も果たしてくれます。

少し歩くと小さな神社も見えてきました。「車山神社」という神社で、登山者の安全を見守るシンボルのような存在だそうです。

帰り道は、スキーリフトが通っている道のそばを下山していきます。リフトに乗って下山することもできますが、筆者は徒歩でゆっくりと降りることにしました。

しばらく歩くと、駅行きのバスが待つスキーリゾートの入り口地点に到着します。

東京から車山までのアクセス

東京から車山周辺へは、まずJR新宿駅から特急あずさで「上諏訪駅」か「茅野駅」へと向かいます。茅野駅までは約2時間5分・5,650円、上諏訪駅までは約2時間10分・5,980円です。

どちらの駅からも、車山高原SKYPARKスキー場行きのバスに乗ることができます。このバスに45〜60分乗車すれば霧ヶ峰の麓や車山の山頂に到着。バス料金は大体900円から1,500円と、乗車や下車地点により変わってきます。

筆者はハイキングのため、バス停「霧ヶ峰インターチェンジ」で下車しました。

1日かけて霧ヶ峰と車山をハイキング

今回、筆者は1日かけて霧ヶ峰高原と車山をハイキングしました。あと数日あれば、八ヶ岳や、白樺湖など周辺の名所に行くこともできそうです。

ハイキング中は壮大な山脈の景色や、地域特有の植物にも触ることができました。霧が現れたときは、まるで雲海を散歩しているような気分でした。

皆さんも機会があればぜひ、五感を研ぎ澄ませてハイキングを楽しんでくださいね!

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