年初から神奈川県内死亡事故多発 全国ワースト、すでに43人 高齢、バイク多く

児童手作りの反射材を贈られるお年寄り。高齢者が犠牲になる事故が多発し、県警は反射材着用を呼び掛けている=2月、湯河原町

 今年に入り、県内で交通死亡事故が多発している。17日現在の死者は前年同期比20人増の43人(速報値)に上り、全国の都道府県でワースト。県警は「危機的な状況」として、歩行中の高齢者が犠牲になるケースや、バイク乗車中の事故を重点に対策を強化する。

 全国ワーストは1月7日から継続中。ワースト2は大阪府の33人(3月17日現在)で、県内では年初から死亡事故に歯止めが掛からない。

 県警交通総務課によると、今年の死亡事故を状況別にみると、「歩行中」がほぼ半数の21人。「バイク乗車中」が15人で続く。歩行中の犠牲者は、大半の17人が65歳以上の高齢者。一方で、バイク乗車中では30代以下が6割を占める。

 歩行中の死亡事故では、ドライバー側が横断歩道での歩行者優先を怠ったケースが目立つ半面、斜め横断や信号無視、飲酒後に路上に寝込むなど、歩行者側に起因する事案も少なくないという。バイク事故では、▽直進時に対向車線から右折してきた車両と衝突▽速度の出し過ぎや運転技量の過信に起因する単独事故―が目立つ。

 県警は23~29日まで、歩行者保護とバイク事故の抑止を柱に、全県で取り締まりや交通指導を強化する。大賀真一本部長は17日の定例会見で「ドライバーは、ゆとりのある行動と横断歩道での歩行者優先の徹底を、歩行者も交通ルールを順守して横断時の安全を確保してほしい」と呼び掛けた。

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