BTCCイギリス・ツーリングカー選手権でマニュファクチャラー部門4連覇を飾っている名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)は、2020年を戦う3台のBMW330i Mスポーツの新リバリーを披露。王者コリン・ターキントン、トム・オリファント、そしてアンドリュー・ジョーダン車ともに印象的なブラックを基調としたBMW“M”のワークスカラーを採用する。
BTCCにおけるBWWのファクトリーチームとして活躍してきたWSRは、これまでワークス伝統のMカラー2台に加え、2013年王者ジョーダンのパーソナル・スポンサーを務めた油圧関連機器メーカーPirtek(パーテック)のCIカラーであるネイビー×オレンジ×イエローを基調とした車両も走らせてきた。
しかし2019年限りでPirtekとの長年にわたるパートナーシップ契約が満了したことを受け、世界的に有名なMスキームに「ブラックを取り入れた」新鮮なカラーリングを全3台ともに採用。英国内で展開する『BMW First aftercare programme』のブランディングを展開する新たなバナーも掲げられた。
「新しいBTCCシーズンのスタートはつねにエキサイティングな時間だが、とくに今年はBMW 330i Mスポーツと3台のドライバー全員が“チームBMW”のカラーリングで競い合うダイナミックなアプローチを採用した」と語るのは、BMW UKのCEOであるグレアム・グリーブ。
ディフェンディングチャンピオンとして2年目の330iをドライブするターキントンも「この新しいカラースキームの大ファンだし、チームはこのオフに適切なテストプログラムを構築した。例年以上に自信が深まっている」と、連覇に向け意欲を見せた。
「2020年に向け本格的にBMW“M”のワークスカラーを展開するという議論が始まったとき、僕らは皆『これはファンにとっても、僕らにとっても、ポジティブな印象を与えるに違いない』と確信したんだ。このG20型3シリーズは本当に素晴らしいクルマで、この新カラーはそのイメージを完璧に反映しているよね!」
「新シーズンを楽しみにしているし、この3台と僕ら3人の可能性については疑いの余地がない。3シリーズの一貫性とパフォーマンスは引き続きトップレベルだと考えているが、ゲームは始まってみないと分からない」
「だからこそオフシーズンテストが重要で、3月17日からのシルバーストンでも開発プログラムに集中する。チャンピオンシップ争いは年々激化しており、課題は多岐にわたる。アドバンテージを常に探し続ける必要があるが、成功は僕にとって最高の快楽みたいなもの。プッシュし続けるだけさ」
■2年目のカローラBTCCはTGR体制で参戦
一方、2019年に新型トヨタ・カローラを投入し、現地法人トヨタGBのバックアップを受けてインディペンデント・チームから本格的ファクトリーチームに昇格したスピードワークス・モータースポーツ(SWM)は、2020年に向けさらなる体制強化を図るとともにエントリー名も変更。『チーム・トヨタGB withスピードワークス・モータースポーツ』改め『TOYOTA GAZOO Racing UK with Ginsters』としてタイトル獲得に挑むと表明した。
シングルカー体制ながら本格的メーカーエントリーを得た新型車両投入初年度に、トム・イングラムのドライブで年間4勝、ランキング6位に喰い込んだSWMは、引き続き食品企業の”Ginsters(ギンスターズ)”のサポートを受けつつ、WRC世界ラリー選手権やWEC世界耐久選手権同様に、TOYOTA GAZOO Racingの名称を得てシリーズを戦うこととなった。
イングラム自身も、近年の推移は「BTCCに旋風を巻き起こした」との自負があり、日本のマニュファクチャラーとの強いつながりを「誇りに思う」と語った。
「アヴェンシスでのインディペンデント・タイトル連覇から、2019年の公式メーカーサポートによるファクトリーチームへの昇格、そして今では世界選手権と同じステータスを持つTOYOTA GAZOO Racingとの密接な提携を持つに至った。これこそ、僕らの仕事に対する何よりのご褒美だろう」と続けたイングラム。
「昨秋にTGRの最先端ドライビングシミュレーターを使用することができたのも最高の特権だったし、WEC世界耐久選手権を戦うスポーツプロトタイプ、トヨタTS050ハイブリッドを仮想ドライブできたのも目を見張る経験になった」
「彼らの技術的能力と細部への注力は非常に印象的で、この境遇は『お金で買えない』専門知識の塊のようなものだ。今からシーズンが待ちきれない気分だよ!」