整備巡る佐賀県確認案 国交省が修正文書提示 協議長期化への懸念伝達 新幹線長崎ルート 

国土交通省が削除した主な記述

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式を巡り、国土交通省は18日、今後の協議の前提となる在り方を定めるため佐賀県が示した確認文書案に対し、修正を求める文書を同県に示した。同県が条件にしていた協議に期限を定めないことなどの削除を要請し、協議を不必要に長期化させるべきではないとの意見を伝えた。

 国交省は月内の協議入りを目指し、幹部が山口祥義知事を訪ね、説明したい意向。佐賀県は修正意見に「内容をきちんと確認したい」としており、事務レベルで面談し趣旨を確認したい考えを示した。月内の協議入りには明言を避けた。
 国交省によると、昨年12月に赤羽一嘉国交相と山口知事が面会し、協議に向けて動きだした際のやりとりを踏まえていない内容や、協議入り後に議論するべき事項を先取りしたものが含まれていたため、修正を求めた。足立基成幹線鉄道課長は「あくまでも面会時のやりとりに沿ったものかどうかで修正した。協議はいたずらに時間だけが過ぎないよう精力的に積み重ねたい」と強調した。
 佐賀県の確認文書案は7項目。「フル規格を実現するための協議ではない」との項目はそのまま残ったが、国交省は「山陽新幹線への乗り入れにはこだわらない」とする1項目を全削除するよう要請。同県の案では、今後の協議は「フル規格が適当」とした与党検討委の議論とは関わりなくゼロベースで始めることを条件としたが、これも削除を求めた。
 ほかにも、協議の前提となるさまざまな条件や数字は国交省が責任を持って示し、内容を確約するよう求めた点や「確認内容が守られていないと佐賀県が判断した場合は協議を中止する」といった文言も削るよう求めた。足立課長は「社会情勢が変わる中で数年後のことを約束することはできない」「(協議中止の文言は)ちょっと一方的すぎる内容」と理由を説明した。


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