針金を自在に折り曲げ、恐竜や動物を形作るワイヤアート。自ら描いた絵を基に作品を仕上げ、全国各地で開く展示会や実演会で披露している。来場者からは「今にも動き出しそう」「見ていると気持ちが和らぐ」と好評を得ている。
小学3年の時、担任教師に誘われてワイヤアートを始めた。のめり込むうちに、複数のワイヤを組み合わせて立体的な作品にする技法を身に付けた。自閉症とともに知的障害があり、現在は鳴門市大麻町の障害福祉サービス事業所で創作活動などに励んでいる。
聖火ランナーへの応募は、注目を浴びる舞台で社会とのつながりを深めてもらおうと母親の多佳子さん(59)が提案した。障害を持つ仲間を勇気づけられる存在になってほしいとも願っている。
ランナーに決まり、友人らから「すごい」「見に行くよ」との言葉を掛けられるようになった。「元気よく楽しく走って、お世話になっている人に頑張っている姿を見せたい」と意気込む。重さ1・2キロのトーチを想定し、水を入れたペットボトルを掲げて走る練習を本番まで続けるつもりだ。