「変更あったが、、全部やりきれた」 川崎市立小児童、胸張って卒業

感染防止のため、保護者の参加を1人に限って行われた市立宮前小学校の卒業式=川崎市川崎区

 川崎市立小学校の多くで19日、卒業式が行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で、時間の短縮など規模を縮小した式典となった。児童は「全部やりきれて良かった」と胸を張り、保護者も「久々にクラスの子どもたちの姿を見て、卒業を実感できた」と喜びを分かち合った。

 この日は市立小学校114校のうち、91校が卒業式を実施。来賓の出席はなく、在校生も代表者のみか参加を見送る措置が取られた。会場のスペースの都合で保護者の出席を1人に限った学校もあった。

 川崎区の市立宮前小学校では、143人の卒業生が式典に臨んだ。在校生の参加はなかったが、同校によると、3月3日の最後の授業日、6年生が式の練習を終えた後にサプライズ演出で在校生全員が6年生を送る催しを行ったという。

 式典で丸山衛校長は「今、新型コロナウイルスの問題があるが、世の中を正しく理解し、考え、行動するための土台となるものを皆さんは学んできた。中学でも頑張ってください」とエールを送った。

 式典後、取材に応じたPTA役員の北條瑞江さん(42)は「式自体が行われるか心配だったので無事にでき、ほっとした」と話した。長女の来実さん(12)は「今までやってきた練習内容が時間の短縮などで急に変更になったけれど、全部やりきれてよかった」と笑みを浮かべた。

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