ますだおかだはどう見た?「お笑い成人式」で芸歴20年以上の芸人たちがネタバトル!

ますだおかだはどう見た?「お笑い成人式」で芸歴20年以上の芸人たちがネタバトル!

BSフジの開局20周年を記念した1夜限りのお笑いフェスティバル「お笑い成人式」が、3月21日に放送される。芸歴20年を超える漫才コンビ10組(計20人)が、自慢のネタでバトルを繰り広げるという趣向で、優勝コンビには“BSフジキャンペンボーイ”の座が与えられる。20年で培った実力で会場を沸かし、頂点に輝くのはどのコンビか……となるはずだったのだが、新型コロナウィルス感染防止のため、無観客で収録が行われるという非常事態に。果たして、どんなコンテストとなったのか、司会を務めたますだおかだの岡田圭右と、審査員長の増田英彦に話を聞いた。

──まずは収録を終えた感想を聞かせてください。

岡田「今回は、お客さんがいないという特殊な状況だったので、どうなることかと思ったんですけど、皆さん、微動だにしなかったので安心しました。この状況を面白おかしくネタに取り入れたり、やはり20年以上も漫才を続けている芸人は強いなと尊敬の念で見ていましたね」

増田「審査員の僕らもスタッフも、やりづらいんちゃうかと心配していて、なるべく笑って現場を盛り上げようという気持ちで収録に臨んだと思うんですよ。でも、トップバッターの芸人がめちゃくちゃ頑張ってくれて、それで僕らも余計なことを忘れることができましたね。ただただ笑って見ていました(笑)。芸歴20年以上の芸人たちにとっては、お客さんがいない方が、逆に漫才に哀愁が出たんじゃないかな(笑)」

──やはり、お客さんがいない状況でネタをやるのは大変なんですね。

増田「お客さんがいなければ漫才ではないんです。いいネタがあって、いい相方がいて、そしてお客さんが笑ってくれるからいい漫才になるんですよ」

岡田「それとは真逆のシチュエーションやからね」

──増田さんは審査員長という役割でしたが、審査のポイントはどんなところに置いていたんですか?

増田

「今話したように、芸人にとってはやりづらい状況だったので、そこに左右されずにできるのか、あの状況でどんなネタを持ってくるのか、テンポはどうなるのか、間はどうなのか。そのあたりは気にして見ていました」

──岡田さんは司会として番組を取り仕切っていましたが、いかがでしたか?

岡田「まあ、僕はただ楽しんだだけですよ(笑)。お客さんがいなかったので、自分がお客さんの代わりになろう、そんな気持ちでした。司会者としては、出演した芸人が、いかに面白いヤツらなのかを引き出せればいいなとは思っていましたけどね。ただ、審査員の方々がなかなかの個性派で、そちらをさばくのは大変でした(笑)」

増田「でも、長州力さんや氏神一番さんのコメントは、すごく的を射ているというか、いいことを言っていたよね。審査員長なんて必要ないなって思いましたよ(笑)」

──最終審査はかなり時間がかかっていましたよね。

増田「意見はかなり割れました。審査員はそれぞれに“こういう理由でこのコンビが優勝に相応しい”っていうような熱い思いを持っていました。これはどうやって意見をまとめたらいいんだろうと、この時だけは審査員長らしく悩みました(笑)。結局は、決選投票のような形で決めましたね」

──岡田さんは事前に「20年代の芸人は上と下に挟まれて一番うずうずしている世代。たまった思いを爆発させるような漫才をみせてほしい」といった趣旨のコメントをされていましたが、そんなネタを見せてくれたと感じるコンビはいましたか?

岡田「20年以上続けている芸人が若手に対抗しようとするならば、人間力というか、人間としての“味”をいかに漫才で出せるかだと思うんですよ。そういう意味では、今回は、どの芸人もいろいろな経験をしているので、それぞれに違う味付けの漫才になっていましたよね。昔見た時とは全然芸風が変わっているコンビもいたし、全く変わっていないコンビもいたんですけど、いずれも20年以上かけて現在に至っていて、とても味わい深い漫才になっていたように思います」

──おかだますだも芸歴20年代のコンビですよね。もしエントリーされたら、どんな作戦で臨みますか?

増田「まずはお客さんがいないことを考えるでしょうね。でも、僕らはお客さんに向かって話しかけるようなスタイルの漫才なので難しいなあ。そう考えると、みんな、ホント、難しいことによく挑戦してくれましたよね。彼らも営業なんかでお客さんが少ない現場も経験していると思うんです。そういう経験が生きましたよね」

岡田「特にボケはつらかったんじゃないかな。ボケても笑い声がないのでね」

増田「いや、ツッコミの方が大変。お客さんがいれば、同じ温度でツッコめばいいけど、そのお客さんがいないんだから、うまくツッコめなくて、ボケがはまらない場面が出てくると思う。なので、われわれにオファーが来た場合は、岡田さん次第(笑)。岡田が『任せろ!』って言ったら出ます!」

岡田「いまだかつて『任せろ!』って言った現場なんかないですよ! それは増田さん、決めてよ。俺には決められん。責任負えん(笑)」

──お二人は数々のコンテストで優勝していますが、コンテストで勝ち上がるために必要なものはなんだと思いますか?

増田「いい相方を見つけることですね。残念ながら僕はまだ見つかっていないですけど(笑)」

岡田「これこれっ!」

──では、最後にあらためて番組の見どころをお聞かせください。

岡田「今回出演した芸人はみんな、普段の漫才とはちょっと違う、何かが一つ乗っかったような漫才を見せてくれたと思います。ホント、どの芸人も面白かったので、楽しんでもらえたらうれしいですね」

増田「芸歴20年を超えて、みんな、もう賞レースとは縁がないと思っていたと思うんです。だから今日は、みんな抜き打ちテストみたいな感じだったと思います(笑)。でも、普段のライブや営業で頑張ってきた経験をドンッとぶつけてくれました。面白い芸人がたくさんいることが分かってもらえると思うので、ぜひ見ていただきたいですね」

【プロフィール】


ますだおかだ
増田英彦、岡田圭右で1993年に結成。94年に「第15回お笑い新人グランプリ」最優秀新人賞や「第24回上方漫才コンテスト」最優秀賞を、02年には「第37回上方漫才大賞」大賞を受賞。同年「M-1グランプリ2002」では結成10年目のラストイヤーで優勝を果たした実力派漫才コンビ。現在は「ゴゴスマ -GO GO!Smile!-」(TBS系)などに出演中。

【番組情報】


BSフジ開局20周年記念特別番組「お笑い成人式」
3月21日 午後7:00~8:55

取材・文/竹内伸一

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