廃止検討の競輪場、一転して5年間存続へ 「奇跡みたい」人気低迷も根強いファン

2024年度までの存続が決まった京都向日町競輪場(向日市寺戸町)

 京都向日町競輪場(向日市寺戸町)が、2024年度まで存続することになり、地元選手から喜びの声が上がった。全国的に競輪人気は低迷しているものの、同競輪場へ毎週通う根強いファンもおり、今後の行方が注目される。

 日本競輪選手会京都支部長の窓場加乃敏選手(52)は「廃止が検討された時のことを思うと、奇跡みたいなもの。本当に良かった」と安堵(あんど)した。「ファンの声援で、普段以上の力を出せるのがホームバンク。選手にとっては非常に大きな意味を持つ」という。
 人気の低迷を受け、選手会は、広報活動やバンクでの走行体験などファン拡大に奔走してきた。「少しでも力になれたのならうれしい。高校生の自転車競技の練習拠点にもなっており、存続のためにできるだけのことを今後もやっていきたい」と意欲を見せた。
 来場者が減少しているとはいえ、京都向日町競輪場に足しげく通うファンは今もいる。京都市西京区の佐藤晴紀さん(72)は「勝負の醍醐味(だいごみ)を間近で感じられる。応援しながらストレスを解消できる場所です」と、5年ほど前から毎週訪れている。車券購入だけでなく、ほかの来場者とレース以外の日常を話す楽しみがあるといい、「人の輪が広がる、憩いの場です」と話した。

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