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コロナウィルスのパンデミックに便乗して、色々な情報が飛び交っています。専門でもない医師YouTuberや健康食品業者が便乗商法に参入しています。また、SNSでも無責任な情報が出ています。どのように私達は精査したら良いのでしょうか。
株式会社D-solutionドクターソリューション事業部の公衆衛生学修士にうかがいました。
――次々と情報が出てくるのでその正誤を教えて頂けますでしょうか。
「一個一個何が正しいか間違っているかを解説するより、本質的な理解をした方が色々な場面で応用が利くので今回はそんなお話をしたいと思います。分かりやすく説明したいので、なるべく専門用語は避けたいが、今回は2語だけ使わせて頂きます」
――2語とは何でしょうか。
「メカニズムとエビデンス。語弊はあるかもしれませんが、わかりやすく表現しますと、メカニズムとは『理屈』エビデンスは『実際』です」
――具体的にはどのようなことでしょうか。
「『酒にはエタノールが入っている→エタノールにはコロナに有効→よって酒を飲むとコロナに効く』」
――これは、一見正論のようにも見えます。
「『○酒にはエタノールが入っている→○エタノールにはコロナに有効→×~△よって酒を飲むとコロナに効く』です。
このように、メカニズムを組み合わせると、ストーリーが出来上がってしまいます。切り離した部分が正しいのでそれっぽく見えてしまうのですが、実際は違います。
例えば、コロナに有効なアルコール濃度は?
酒を飲む場合には経口だが、すでに粘膜にコロナが付着していた場合、そこに留まっているのでしょうか? 本当に意味があるのでしょうか? アルコールで粘膜を傷つけて逆に感染しやすくならないでしょうか。そもそも、本当に酒がコロナに効いたと言うエビデンスはあるのでしょうか?
エビデンスとは、然るべき統計的手法を用いて、実際にそれが意味があるかどうかを判断するために研究した結果のことです。
メカニズムの正しさをいくら集めて、正しそうなストーリーをでっち上げても、エビデンスが無ければそれは真には正しいとは言えないのです」
これらは今回のコロナ便乗だけに限らず、大量ビタミンC点滴が癌に良いとか、疲労回復にビタミン点滴とか、エビデンスのない治療がまかり通っているそうです。
金儲け医師の餌食になる前に、情報を精査できる、医療リテラシーを獲得しましょう。(文◎野島茂朗)