さようなら 対馬・浅海中 36年で閉校「思い出 生き続ける」

閉校式で、校舎の空撮写真を背景に合唱した同校の全生徒と教職員=対馬市立浅海中体育館

 本年度末で36年の歴史に幕を下ろす対馬市立浅海(あそう)中の閉校式が22日、美津島町小船越(こふなこし)の同校であった。生徒や教職員、保護者ら約130人が、万葉集ゆかりの浅茅(あさじ)山を望む丘に建つ学びやとの別れを惜しんだ。
 同校は1984年度、二つの中学校が統合するなどして開校した。校区は美津島町の大山(おやま)、小船越、賀谷(がや)、濃部(のぶ)、鴨居瀬(かもいせ)、芦浦(よしがうら)の計6地区。86年度に最多の123人だった生徒数は本年度17人にまで減った。
 溝井洋三校長は「きょうの閉校式は、再出発のための卒業式であり、出発式。浅海中での思い出は心の中に生き続け、この丘に登れば、常に鮮明によみがえる」と声を詰まらせながらあいさつした。
 生徒代表の印束心春(いんづかこはる)さん(14)=2年=は「最後の生徒として、この学校での思い出と一緒に新しい生活に挑んでいく」と作文を発表。生徒会長の勝見風李(ふうり)さん(14)=同=は、浅茅山と6地区をモチーフにした校章が入った校旗を比田勝尚喜市長に返還した。
 同校の卒業生は本年度の6人を含め、計723人。在校生11人は新年度から市立豊玉中に通学する。

比田勝市長に浅海中の校旗を返還した生徒会長の勝見さん(奥)

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