日本中が熱狂! ドラマ「西部警察」伝説の地方ロケ編を独断と偏見でセレクション!【Vol.1 広島編】

【ドラマ「西部警察」伝説の地方ロケ Vol.1】「広島市街パニック!」より 製作著作 株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン

現代では再現不可能? なカースタントいっぱい! 伝説の刑事ドラマ「西部警察」

【ドラマ「西部警察」伝説の地方ロケ】パート2 第26話「―北都の叫び―カムバック・サーモン!」より 製作著作 株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン

もはや伝説となったドラマ「西部警察」シリーズ。警察側は銃を容赦無く犯人に向かってガンガン撃ち、敵側もごく当たり前に自動小銃・バズーカ・手榴弾を持っているため、銃撃戦はもはや戦争。西部警察を象徴する派手なカーチェイスも、今なお多くの人を惹きつけています。

そして西部警察で忘れてはいけないのが「地方ロケ(日本全国縦断ロケ)」です。西部警察パート2以降、爆破やアクションの規模を大幅に拡大して、全国16道府県で撮影が行われました。

地方ロケの特徴は地元企業とのコラボで、企業が捜査協力するという設定のもと、その企業からは役者ではなく本人が出演したり、不必要にセリフに企業名が入っていたり、企業看板にフォーカスしてから登場人物にカメラが移動するなど、ちゃんと宣伝も行なっていたのが面白いところでした。

そこで今回は地方ロケから厳選した場面を、イラスト入りで数回に分けてご紹介します。

前代未聞、本物の路面電車を大爆破! パート2・第18話 「広島市街パニック!」

【ドラマ「西部警察」伝説の地方ロケ Vol.1】パート2・第18話「広島市街パニック!」より[イラスト:遠藤 イヅル] 製作著作 株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン

まずは大規模地方ロケの第2弾にあたり、西部警察を代表するシーンとして記憶に残るパート2・第18話 「広島市街パニック!」(昭和57年10月17日放映)の爆破シーンをお送りいたしましょう。

ちなみに続く19話も広島ロケの「燃えろ !! 南十字星」でした。18話・19話とも、静岡・札幌と並び地方ロケなのに「○○篇」というサブタイトルがつきません。

それはさておき、お話はこんな感じ。

広島で殺された爆弾魔の体内に残っていた弾丸が、東京で起きた現金強奪事件の犯人が持っていた拳銃と同じだったことから、大門軍団は一路広島へ。

一方、犯人はなんと広島電鉄の路面電車(750形・766号。元大阪市電)をジャック。しかも爆弾を持って乗り込んでいたのです。そこで広電はポイントを切り替えて電車を誘導…

…おおっと!これ以上はネタバレになるので書けません(涙)。

とにもかくにもラストはドラマ史上後にも先にも見たことがない、路面電車の爆破シーンを見ることができます。でも最後、電車を爆破する必要があったの?……というのは聞いちゃダメー!

今では考えられない「爆破シーン」も、当時西部警察が大人気だった証

【ドラマ「西部警察」伝説の地方ロケ Vol.1】「広島市街パニック!」より 製作著作 株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン

それにしても。今では到底考えられないのは、西部警察ではメインスポンサーの日産車をどんどん破壊してしまうし、広島ロケを例にとれば、広電、そして広告電車のスポンサー「もみじ饅頭のにしき堂」も「爆破」に協力していること。今なら、自社の名前が入った車両を爆破するなんて、イメージが悪いですよね。

でも放映当時、西部警察の人気は凄まじいものがあったのです。むしろ西部警察に出たことによる宣伝広告効果も大きかったのですね。放送された映像にも、見物人がふつうに収録を見ているシーンや、野次馬が西部警察のクルマを走って追いかける場面なども見られるほどです。当時の西部警察の人気ぶりが伺えます。

[イラスト&レポート:遠藤 イヅル/撮影:茂呂 幸正/株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン]

※記事中のすべての画像:製作著作 株式会社石原プロモーション

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