思わず集めたくなる!交通系ICカード豆知識

日本人の誰もが持っているカードとは何でしょうか? 答えは「ICカード乗車券」です!

公共交通機関だけでなく、コンビニの少額決済にも使えます。日本のICカード乗車券は10種類以上あり、コレクションする人もいますよ!

今回は、MATCHAに在籍する鉄オタ(鉄道を愛する人)で、さらにICカード乗車券集めもしている社員に、秘蔵コレクションを紹介してもらいました!

日本最初のICカード乗車券「Suica」

日本で最初のICカード乗車券は、2001年に誕生した「Suica(スイカ)」です。JR東日本が発行し、主に関東地方で使用されています。現在、使用できる範囲がもっとも広い交通系ICカードです。

"スイスイ(suisui)"とスムーズに改札を通ることができるSuica。発音は日本語のスイカ(西瓜)と同じです。このためSuicaのメインカラーは緑色をしています。

2001年の発行以来、少しずつデザインが変更されてきたSuica。現在は第4世代のデザインです。

マスコットのペンギンは、2004年の第2世代のデザインで初めて登場しました。当初は横を向いた姿で描かれていましたが、2008年に登場した第4世代のデザインで正面を向きました。

ICカード乗車券の"くぼみ"。その数の違いは?

ICカード乗車券の右側には"くぼみ"があり、1つのものと、2つのものがあります。その違いは何でしょうか?

まず、なぜくぼみがつけられているのか、説明しましょう。それは、目が不自由な方がカードを手で触って交通系ICカードだと識別するためです。

そして、くぼみの数が違う理由は、記名ができるものとできないものを区別するため。くぼみが1つだけのものは記名できますが、2つのものは記名ができない特殊なカードです。

くぼみが1つだけの、通常のICカード乗車券には、所有者の氏名、年齢、通勤路線などの詳細を印字できます。

一方で、くぼみが2つあるカードは、数量限定で発行されたり、限定のデザインが施されていたりします。デザインを生かすため、印字ができないようになっているのです。

しかし、沖縄のゆいレールで使えるOKICAは特殊です。カードにはくぼみがありません。

どれも「ca」がつく?

日本にはさまざまなICカード乗車券がありますが、名前が「ca」で終わっているものが多いことに気づくはずです。この「ca」は、英語の「card」の意味を表します。「ca」の発音は、日本語の「か」です。

多くのICカード乗車券では、英語を日本語の当て字にした名前を使っています。なかには、地方の方言も取り入れているものもあります。

地方の特色あるICカード乗車券の1つが、香川県高松市の琴平電鉄のICカード乗車券「IruCa」です。青いイルカの「ことちゃん」が琴電のマスコットになっています。

IruCaは、日本語の「要るか?」という意味を、同じ発音の「イルカ」(iruka)にかけて名付けられました。この名前にすることで、住民に必要とされる琴平電鉄であるかどうか、「要るか?」と常に自らに問い直しているそうです。

宮城県の仙台市交通局が発行しているカード「icsca」の名前は、仙台の方言「行くすか」からきています。意味は標準語で「行きますか」です。

マスコットのスズメは、かつて仙台地方を統治した戦国武将・伊達政宗の伊達家の家紋「竹に雀」からきています。

裏面で発行元が分かる!

ICカード乗車券の裏側、右下部分には、黒地に17桁のアルファベットと数字の番号が書かれています。アルファベットは、カード発行者の略称です。

例えば、

JE=JR EAST(JR東日本)
JW=JR WEST(JR西日本)
TP=Trans Pass(名古屋エリアで利用できるmanaca"マナカ")

です。

略称は調べてみると、とても面白いですよ!

えっ?発行元が2つ?

通常、1種類のICカード乗車券の発行元が複数あることはありません。しかし、名古屋地区のmanacaには、株式会社エムアイシー株式会社名古屋交通開発機構という2つの発行元が存在します。

名古屋鉄道(名鉄)で購入したカードは前者が発行元で、カードの表の右下に星印がついているのが特徴です。それ以外の名古屋の交通機関で購入したものは、後者が発行者となります。カード裏面には、どちらもTPと表示されます。

相互利用できるICカード乗車券は10枚

1枚のカードで日本中どこでも行ける

2013年以降、日本のICカード乗車券は全国相互利用サービスを開始。地方のICカード乗車券も、そのほかの地域で使用できるようになりました。

現在、相互利用できるのは、JR東日本のSuica、JR北海道のKitaca、主に関東地方で使えるPASMO、名古屋のmanaca、JR東海・愛知環状鉄道のTOICA、主に近畿地方で使えるPiTaPa、JR西日本のICOCA、福岡市交通局のはやかけん、西鉄のnimoca、JR九州のSUGOCA、全部で10種類です(上の写真にはPiTaPaとnimocaを除く8枚のカードが載っています)。

残念すぎるICカード乗車券

「日本でもっとも残念なICカード乗車券」とされるカードもあります。福井県福井市の「ICOUSA」です。福井市街の循環バスでしか使用できないこともあり、2011年の発売以来、2,400枚しか発行されなかったそうです。
もとは、お年寄りが小銭を用意する手間を省くという目的で作られました。市街地の循環バスが4本しか路線がないこともあり、この発行数も当然といったところでしょうか。

秘蔵の限定カードあれこれ

"限定デザイン"や"数量限定"、"期間限定のイベント"などが多い日本。ICカード乗車券も、もちろんその例外ではありません。さまざまな限定カードが発行され、「何とかしてそれを手に入れたい!」というICカード乗車券のファンの心に火をつけます。

写真は限定カードを並べたもの。けれど、これはたくさん発行されているカードの氷山の一角にすぎません。

上の写真は、2015年に東京駅開業100周年を記念して発行された記念Suicaです。繊細なラインで描かれた東京駅がたいへん美しく、また、数量限定だったため、このカードを求めて多くの人が殺到しました。

ここで個人的に特に紹介したいのが、琴平電鉄開業100周年で特別に発行されたIruCaです。テーマはマスコット「ことちゃん」の結婚。外包装からお祝い感満載で、封筒にはことちゃんのお礼の言葉もありました。

なにより「ことちゃん」と奥さんの「ことみちゃん」の可愛さといったらありません!

乗車券鉄オタ秋元さん、本当にありがとうございました!

記事に登場したカードはすべて、MATCHAのエンジニア・秋元さんの持ち物です!

鉄道を愛する秋元さんは、インターネットでICカード乗車券を手に入れることはしていません。実際に鉄道に乗車してICカード乗車券を手に入れる、熱い心をもった真の"乗車券鉄オタ"なのです!

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