試合を別の視点から!チアリーダーオタクに学ぶスポーツ観戦の新しい楽しみ方

新しいスポーツ観戦方法をチアリーダーオタクが伝授

野球、サッカー、バスケットボール……スポーツ観戦を旅行の目的にする人も少なくないでしょう。

試合自体がメインの楽しみではありますが、せっかく会場へ足を運ぶなら、そこでしか見られないチアリーダーのパフォーマンスも注目すべきポイント。

今回は、年間100以上の試合に足を運ぶチアリーダー研究家のまぁちゃんに、チアリーダーに注目したスポーツ観戦方法を教えてもらいました!

「いつも明るく、ポジティブな気分にさせてくれるパフォーマンスにひかれ、私自身も10年間チアリーダーをしていました」というまぁちゃん。現役を終えたあとは大学院に入り、スポーツマネジメントの観点からチアリーダーを研究。あらゆるスポーツの試合に訪れチアリーダーを観察してきた、まさにチアリーダーオタクです。

横浜が拠点の気品高いチアリーダーズ「B-ROSE」

「日本はバラエティに富んだタイプのチアリーダーチームが魅力。野球では可憐でアイドルのようなチアリーダーチーム、アメフトやサッカー、バスケットボールではかっこいい女性のチアリーダーが目立ちます」とまぁちゃんは言います。

今回一緒に観るのは、横浜市の男子プロバスケットボールチーム「横浜ビー・コルセアーズ」の公式チアリーディングチーム「B-ROSE」です。まぁちゃんによると、上品な美しさが魅力のチームなのだとか。

「チームイメージに『Noble Beauty』を掲げ、すべての演出に軸があり、立ち姿も美しく、ブースター(バスケファンの総称)への接し方からも気品ある美しさが伝わってきます」

日本でのバスケ観戦の魅力は、コートと観客席の距離が近いこと。もちろんチアリーダーも近くで見れます。

それではまぁちゃんと一緒に、チアリーダーの見どころに迫っていきましょう!

1.指先の伸び、髪の揺れ、細部こそ見逃すな!

試合前のオープニングアクトでは、チアリーダー全員がショートフラッグを持ち、息の合ったダンスを繰り広げていました。

私が最初に見たときの印象は、「きれい!」の一言。しかしまぁちゃんは、目の付け所が違います。

正しい位置に立ち、手の角度や移動の歩数、髪のゆれ具合も統一していますね。全体の統率が取れながら、1人1人の美しさも際立っています」

なんと、髪のゆれ具合までチェックポイントに……! ここもパフォーマンスの1つなのだそう。確かに全員ロングヘアで、髪の毛を結んでいる人もいません。また、統一感に注意して見てみると、フラッグの高さや足を曲げる角度も綺麗に揃っています。

2.一緒に盛り上がろう!試合中の応援パフォーマンス

試合が始まると、選手たちの緊張感や試合の動きに目を奪われます。しかし、まぁちゃんの視線の先には……

声援を送るチアリーダー!

チアリーダーの出番は、各クオーター間やハーフタイムだけではありません。コートに出ない時も常に、ゴール近くで声を出し、応援し続けているのです。

「試合中はチアリーダーがどこを向いて応援しているか注目してほしい」とまぁちゃんは言います。「選手を見て応援している子もいれば、観客席に向いて声を出している子もいます」

ちなみにチアリーダーが持っているアイテムは、ブースターに無料で配られるハリセン。一緒の動きで応援できるよう、あえてブースターと同じものを持って応援しているそうです。

「チアリーダーは、ブースターの声を選手に届ける大事な役割。選手に直接エールを送るのはもちろん、ブースターが応援しやすい雰囲気も作り上げているのです」

選手に声援を届けるため、常に動き応援を促すチアリーダー。訪れたら一緒に応援してみましょう!

3.「なぜここでこの演出?」を考えて見てみよう!

パフォーマンスの順番も考えながら見てみると、「ブースターを惹きつける工夫がされている」とまぁちゃんは言います。

たとえば、第1クオーター後のメンバー紹介パフォーマンス。「あえて第1クオーターでメンバー紹介をしている点にこだわりが感じられる」とのこと。

「オープニングの演出で興味をもち、『さっきの素敵なパフォーマンスをしていた子は誰だろう』と、1人1人意識して見てもらう仕組みを作っているのかもしれません」

メンバー紹介の後は華やかなラインダンスから前後開脚でジャンプして着地するパフォーマンス。この演出はチームのお家芸とのこと。

「身体のラインを綺麗に見せ、息の合ったパフォーマンスをするには並大抵の練習量では到達できません!」と、チームの実力を紹介している様子がうかがえました。

ハーフタイムの後半では圧巻のパフォーマンスを披露。ジャズファンクやヒップホップなどさまざまなジャンルのダンスを取り入れた演出に、見ている側も気持ちが盛り上がり、後半戦への意気込みも生まれます!

4."影への徹し方"も大きな見どころ

ハーフタイムやクオーターの間には、ゲストを招いたエンターテインメントショーが行われます。もちろんチアリーダーも登場しますが、ここで見るべき動きは「いかにエンターテインメントがスムーズに進むか、影の役割に徹しているところ」だとまぁちゃんは話します。

「ゲストのそばに立ち、迷うことなく動けるように導線を作っていました。そっと声をかけて次の動きを伝えるなど、主役の魅力を十分に発揮するために動くのも、チアリーダーの役目でもあるのです」

チアリーダー自身がエンターテインメントの主役になることはもちろん、応援したい人と頑張る人をつなぐ懸け橋になったり、主役を華やかに魅せるサポーターになったり……。1試合の中だけでさまざまな役割を担っているのです。

5.チームが劣勢……そんな時は?

試合に目を向けると、第4クオーター残り5分で6点負けという、緊張感の張り詰めた空気に。会場内には張り裂けるほどの応援が飛び交っていました。

接戦で相手チームに得点が入ったとき、流れを止めるためにタイムアウトがよく取られます。コーチの一言で決まるタイムアウトの時間も、すぐにコートへ飛び出しパフォーマンスを行うチアリーダー。

まぁちゃん:「B-ROSEの伝統的なダンスを披露して一緒に踊ってもらったり、声を出してもらったりしていますね! ブースター全員がひとつになったかのようです」

ラスト3分間でタイムアウトは2回。最後までわからない勝敗にドキドキしながらも、チアリーダーは瞬時に自分の出番を把握し、声援を送り、常に動き回っています。

「チームワークも素敵。応援しながら試合を見ている人、時間を見ている人、対角線上にいるメンバーの様子を把握する人などに分かれ、声をかけ合いみんなが集中しています」

会場だからこそ体験できるチアリーダーのパフォーマンス

スポーツ観戦だけが目的なら、テレビや動画でも楽しめてしまうかもしれません。「会場で行われるエンターテインメントこそ、実際に足を運ぶ価値を提供できる」とまぁちゃんは言います。

「シュート体験ができるエリアや、スポンサーが無償で行う骨盤矯正、マッサージのほか、飲食やグッズの販売などさまざまな楽しみが会場には用意されています。何よりも、チアリーダーの魅力的なパフォーマンスとともに応援する楽しさ!スポーツ観戦の価値はここにあると思うのです」

バスケットボールのチアリーダーは、ほかの仕事や勉強と掛け持ちで行っている方がほとんど。平日は仕事後に練習、試合のある日はリハーサルも含め丸1日かかります。

試合前の準備やリハーサルが8時間にもおよぶこともあるそう。ブースターをひっぱる役として、選手を元気づける存在として、華やかなパフォーマンスを行う背景には、地道な努力があるのです。

チアリーダーが見やすいオススメの席

チアリーダーをしっかり見たい! という方は、ホームチームが座るベンチの対角線上にある、2F席がオススメ。「この席が一番チアリーダーと目が合います!」とまぁちゃん。

チアリーダーは試合中、ホームベンチ側のゴールと対角線上のゴール脇で応援することが一般的に多いそう。コートでのパフォーマンスが始まったら、中央に移動すると正面から見ることができます。

該当の席は自由席エリアなので、試合開始2時間前の開場とともに訪れ、場所取りをしておくとよいでしょう。場所を確保したあとは、会場で行われているイベントに参加してみるのがオススメ。チアリーダーが応援方法を教えてくれる時間もありますよ!

日本ならではのパフォーマンスとスポーツ観戦を楽しもう

2020年東京オリンピックのバスケットボール競技では、日本の試合をオフィシャルチアリーダーズ「アカツキビーナス」が盛り上げます。選ばれたチームからメンバーが選抜されており、B-ROSEのチアリーダーもいます。

日本でスポーツ観戦をする際は、チアリーダーに精通したまぁちゃんの観戦方法を参考に、新しい楽しみ方を実践してみてください!

In cooperation with 横浜ビー・コルセアーズ

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