実験せずにPS使用? 大学学長が複数の論文でデータを偽造した疑い

最近、南開大学の学長で中国工程院会員の曹雪濤氏が、学術論文評価プラットフォームパブピアで複数の論文データを偽造しているのではないかという疑惑が発覚した。パブピアにアップロードしたスクリーンショットを見ると、曹氏の名で書かれた複数の論文の実験結果で同じグラフが繰り返し使用され、異なるグラフの中でも一部の特徴が類似している。Photoshopで切り貼りを行った疑いが持たれている。

曹氏が責任著者となっている問題の論文のうち、現在疑惑が発覚しているのは合計18篇、そのうち1篇はトップクラスの刊行物「Science」で発表されたものだ。曹氏は中国の医学分野のエキスパートで、主に免疫学の研究を行っている。発表したSCI論文は230篇を超え、2017年に中国でも有名な南開大学(NANKAI UNIVERSITY)の学長を務めることになった。

解説:

この事件に対し、データ偽造は曹雪濤氏のチームに所属する研究院や博士課程の学生が行ったもので、曹氏本人は事情を知らない可能性が高いとネットユーザーたちは推測している。学術的な規範に基づけば、責任著者である曹氏は責任を負わなければならない。科学研究分野の重要人物にデータ偽造が発覚するというスキャンダルは、所属する研究機関や中国医学界全体の名声に直接的な影響を与えるだけでなく、中国の学術評価では論文発表のみが重視されることの弊害が現れている。

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