アップル、製造パートナーとの中国労働法違反を認める

ニューヨークに本部を置く非営利組織チャイナ・レーバー・ウオッチ(CLW)は9月9日にレポートを発表し、アップル(Apple)と製造パートナーであるフォックスコン(Foxconn)が多数の臨時労働者を雇用したことで中国の労働法に違反したと明らかにした。

レポートによると、鄭州を拠点とする世界最大のiPhone工場では労働者の50%が臨時労働者であり、労働法で規定する10%を大幅に上回っていた。アップル側はこの問題を受け、フォックスコンと緊密に連携して対策を講じていると述べた。レポートで指摘されたその他の問題については、労働者は適切な報酬を得ていること、時間外労働は自由意志によるものであり強制労働は存在しないことなどを理由に否定した。

解説:

過去にも、フォックスコンではiPhoneの需要を満たすために多数の臨時労働者を雇用していたことが明らかにされている。いわゆる自由意志による時間外労働とは、労働者の賃金があまりに低く、生活のため残業代を稼がざるを得ないことを意味する。近年、アップルのサプライチェーンにおける労働基準整備の遅れと、そのコストが労働者に転嫁されていることが何度も批判されている。今回の発表はまさにアップルの新機種リリースの前日であったことから、新機種の先行きにも影を落とすことになるだろう。

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