中国全国人民代表大会 同棲に関する立法は時期尚早

近年中国では、社会経済の発展や考え方の変化により未婚カップルの同棲が増えてきているが、法律の保護はなく、もめ事が起こりやすい。全国人民代表大会常務委員会の法制工作委員会は記者会見で、同棲に関する法律の制定について「現在の状況から見て、法律で明確に規定するには機がまだ熟していない」と述べた。

人民代表大会は、同棲についてはまだ社会全体で共通認識が形成されておらず、法律で同棲を認めれば、現行の婚姻登録制度に大きな衝撃を与えると見ている。さらに同棲の状況や理由は複雑で、財産分与、養育権等、多くの法律に絡んでくるため、法律で一律に規定することは困難であるとしている。

解説:

中国の婚姻登録制度では、人口コントロールの必要性や保守的な社会の風潮等から、未婚カップルの同棲はこれまでずっと違法だった。2001年になると、同棲しておりかつ結婚の実質的要件に合致する場合は、事後の登録で解決しなければならないと婚姻法で規定された。現在中国では未婚カップルの同棲は未だ法律の枠外だが、シングルマザーの権利保障等、同棲による問題点については早急な調整が必要である。

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