映画「少年的你」の原作小説にパクリ疑惑、評価は二極化

映画「少年的你(BETTER DAYS)」の上映開始以降、興行収入も記録的で、評価も上々、俳優の演技や社会性のあるメッセージにも称賛の声が上がっている。一方、映画の原作になったオンライン作家玖月晞の作品「少年的你、如此美麗」が、日本人作家の東野圭吾の作品のパクリだとネットでも非難の声が上がっている。

ネット民からは、玖月晞氏はパクリの手法である「溶梗」を使用しているとのこと。つまり、元の作品を直接盗用するのではなく、元の作品の登場人物や関係、作品のプロットなどを模倣していると指摘した。こうした批判に対し、「少年的你」の監督曽国祥氏は「私は玖月晞氏の原作に一度目を通しただけだ。映画は原作に基づいてはいるがかなり脚色し、映像化できる部分だけを残した」と述べた。こうした批判の影響を受け、中国の評価サイトの豆瓣(DOUBAN)では「少年的你」のスコアが低下している。

解説:

中国のオンライン文学は常にパクリの温床にもなっており、著作権保護が行き届いておらず、原作よりもパクリ作品が人気になる奇妙な場所でもある。「少年的你」の原作は「溶梗」か、それともパクリかについては結論が出てはいないが、映画は制作チームがオリジナル小説に基づき撮影し創作したものだ。しかし、映画の人気により、作者に怒りの矛先が向き、本好きの間ではパクリと断定され、映画の評価を二極化する事態になっている。

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