中国 6つの自由貿易試験区を新設、 18の自貿区で新たな構図に

国務院は8月26日、『中国(山東)・(江蘇)・(広西)・(河北)・(雲南)・(黒竜江)自由貿易試験区総体方案』を公布し、新たに山東省・江蘇省等6の省や区が自由貿易試験区(以下、自貿区)として加わることを発表した。

新たに設立された6つの自貿区は、制度のイノベーションをコアとしている点が大きな特徴で、投資・貿易・金融・監督管理等に係るさまざまな特色のある改革が打ち出されている。山東省では海洋経済の発展に重点をおき、江蘇省では科学技術と産業の融合の促進を政策の柱に、また広西チワン自治区では新たな国際陸海貿易新通道の構築を進めているほか、河北省では国際大口貿易を推奨、さらに雲南省では周辺国・地域との経済協力を深める政策をとり、黒竜江省ではロシアとの協力関係の強化を図ることで、東北部の振興を全面的に推し進めている。

解説:

新しく発表された自貿区のうち、山東省・江蘇省・河北省は沿岸部に位置する。ここに上海市・天津市・福建省・広東省・浙江省等を加え、中国東部沿岸地域の全区域が自貿区となったことにより、内陸部と沿岸部が連携をとり、東西が相互補完するという対外開放の構図が新たに形成されたことになる。このほか、自貿区が雲南省・黒竜江省・広西チワン自治区といった西部国境地域にまで延びたことで、開放による国境地域の新たな発展も期待される。

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