支付宝 KMツール「語雀」を無料開放 テレワークの新たな局面切り開く

阿里巴巴(ALIBABA)傘下のネット決済プラットフォームである支付宝(ALIPAY)はこのほど、同社の知識管理(KM)ツールアプリ「語雀」を無料開放すると発表し、すべての企業と組織にテレワークを推奨、春節休暇の延長期間中にテレワーク市場を開拓する狙いだ。

「語雀」は支付宝内部で育てたクラウドのナレッジベースで、オンライン上でのファイルの編集、コワーキング、チーム管理とセキュリティ保存などのサービスを提供している。このほか、「語雀」は、昨年4月には企業の知識ポータルサイト構築をサポート、システムが企業データ資産を集積していく「スペース」機能を新たに設けている。今回の無料開放コンテンツには、チーム管理機能の長期無料利用、「スペース」機能の3か月無料サービスなどが含まれる。非営利団体はこの「語雀スペース」を長期間無料で利用できる。

解説:

新型コロナウイルス隔離措置の影響を受け、テレワーク市場の需要が急増している。阿里巴巴傘下のテレワークプラットフォーム釘釘(DINGTALK)や騰訊(TENCENT)はいずれも一度失敗に終わっている。今回、阿里巴巴は、支付宝傘下の知識管理ツール「語雀」を無料開放したことで、ユーザーを同社に引き込み、利用習慣を育てることにプラスに働き、さらにテレワーク市場を開拓することができるとしている。しかし、「語雀」は対外向けに開拓をする一方で、自社の釘釘へも一定の打撃はあり、今後は互いのすみ分けをしながら、両者の位置づけを明確にしていく必要がある。

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