BILIBILI、動画サイト初の自社年越し番組 ユーザー層を拡大か

中国の著名動画サイトの嗶哩嗶哩(BILIBILI、B站)が自社で年越し番組を制作する。テーマは「2019最後の夜」だ。明らかになった番組表には35の番組が含まれており、うち11番組が、「ハリー・ポッター」(HARRY POTTER)、「流浪地球」(THE WANDERING EARTH)など中国で流行している国内外の知財作品に関係している。ゲストには、五月天など中国語圏音楽界の実力派歌手だけでなく、呉亦凡などB站のコンテンツと密接な関係があるインターネット上での人気芸能人もおり、B站自体の有名UP主(動画サイトで音楽、ビデオファイルを制作する人)も参加する。

創立以来10年が経ち、B站はサブカルチャーを深く掘り起こし、アニメ・漫画、二次元などの垂直ニッチ領域で発言権を有するようになったが、総合力とユーザー層では主流動画サイトになおも及んでいない。

解説:

騰訊(TENCENT)、愛奇芸(AIQIYI)など主流動画サイトが衛星テレビの年越し番組に飛びついているとき、B站は初めて自社で年越し番組を制作する。これによりユーザー層を拡大し、プラットフォームとしてのポテンシャルを発掘できるかもしれない。一方で、B站は従来のテレビによる一方向的なアウトプットに比べ、弾幕(動画閲覧時に送受信する動的なコメント)により年越し番組の双方向性を高めることができる。他方で、B站は番組のアレンジとゲストの選択の面で、より主流若者層の好みに合わせてきており、ターゲットオーディエンスのニーズに向けたピンポイントな表現を行っている。

© 有株式会社