7割がデジタル読書に支払意志 読書文化が動画産業の転換を推進

「2018年度中国デジタル読書白書」によれば、2018年の中国のデジタル読書ユーザーの総数は4億を超え、市場規模は前年同期比で20%近く成長し、電子書籍にお金を払う意志のあるユーザーは7割近くとなっている。

デジタル読書は発展の初期段階では、ユーザー獲得は基本的に無料コンテンツに依存していた。ここ数年、ユーザーのコンテンツ価値への賛同が徐々に強まるとともに、ユーザーのプラットフォームへの忠誠度がますます高まり、デジタル読書サイトにより知識の有料化への道が開かれた。あるコンサルティング会社のレポートによると、 2020年の中国における知識の有料化の産業規模は200億元を超える見込みだという。そして知識の有料化市場の拡大により、各大容量動画サイトも布石を打ち出してきた。大手動画プラットフォームの愛奇芸(IQIYI)、騰訊視頻(TENCENT VIDEO)、優酷(YOUKU)などが続々と知識チャンネルを投入し、知識の有料化の分野へと進出している。

解説:

知識の有料化は、読書が多元化した時代における、優れたコンテンツの創出へのユーザー側からの新たな追求だ。動画サイトによる知識の有料化への布石は、一方では動画サイトが膨大な有料ユーザー層を有していることによる。例えば愛奇芸と騰訊では有料動画会員が1億人を超えている。他方では動画サイト自体のコンテンツのコスト高騰によるもので、コンテンツが総コストのほぼ3/4を占めている。知識の有料化への布石を打つことで、コンテンツのエコシステムが拡大し、文学ブランドと映像ブランドの連動的発展が実現し、読書市場のコンテンツ創出の最適化・高度化が推進されていくだろう。

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