寧徳時代 テスラとタッグ組む 新エネルギー自動車の産業チェーン再構築

中国動力電池企業の寧徳時代(CATL)は、世界規模の新エネルギー自動車リーディングカンパニーであるテスラ(TESLA)と提携合意に達したことを正式発表し、テスラに対してリチウムイオン動力電池を提供、調達量は今後の受注をベースに行うことが分かった。

寧徳時代の動力電池ユニット量は世界トップレベルで、BMW、ボルボ(VOLVO)、上海汽車(SAIC)などの中国国内外の主要完成車メーカーからの注文を受けている。中国産テスラ「Model3」電気自動車は、寧徳時代の最新21700型電池を採用する予定で、エネルギー密度はこれまで使用していた松下の18650型電池と比べ約20%向上する。「Model3」は現在、円柱形の電池を使用しているが、寧徳時代は安全性がより高い角型電池を主に生産し、テスラもまた、これに応じて技術路線とシャーシーの設計を変える見通しだ。

解説:

コア技術の向上に伴い、補助支援策により新エネルギー自動車の消費者市場がしだいに開かれ、業界のターニングポイントもまもなく訪れようとしている。2020年の中国純電気自動車とハイブリッド車の累計販売台数は500万台に達する見通しだ。寧徳時代は産業の川上における動力電池分野でリーダ的存在であり、市場占有率は50.58%に達している。テスラとの強者連合によって産業チェーンの枠組みを再構築すると見られる。中国産テスラ「Model3」のコストも大幅に抑えられ、テスラの川上企業への価格交渉能力を引上げ、販売価格のさらなる引下げに可能性をもたらすであろう。

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