古い工業地区の「文化・クリエイティブ」への改造が氾濫 同質化の危機が顕在化

北京の元国営798工場のあった場所は廃棄された工業区だったが、ここが芸術の聖地に改造されて以降、古い工業区を「文化・クリエイティブ化」することが、各大都市が特色ある文化産業を発展させ、独特のランドマークをつくるために最初に選ぶ方法になった。「798モデル」が至る所で花を咲かせた背景には、都市が特色ある旅行を発展させようと焦っていることと、実際にはそれが同質化している危機がある。

現在、北京、上海を除き、大多数の都市では文化・クリエイティブ産業の集積度が低く、人材が不足し、川上・川下の資源が十分ではない。こういった背景の下、文化産業の計画をつくることができず、企業の誘致、資本の導入やデベロッパーによる土地資源の獲得といった資本のお祭り騒ぎに成り果ててしまっている。多くの798のような文化・クリエイティブの名所は利益を生まないが、かえって都市計画づくりに影響する。

解説:

北京798は文芸青年にとってずっと有名な観光スポットで、多くの観光客が訪れて写真を撮っている。各地の「えせ798」が大量に出てきたが、最終的にはどこもうまくいっていない。文化・クリエイティブ産業、特に文化・クリエイティブのランドマークをつくるのは、「タイムテーブルを決める」行政命令で処理するのは無理で、都市に元々ある特色のある文化を軸に育てていくしかなく、北京の工業改造の現実から離れて各地で始めた古い工業地区を改造した文化・クリエイティブ地区は、ただどっちつかずなに見える。

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