映画テレビ業界は冬の時代へ、中国最大の映画テレビ制作現場稼働率ほぼ半減

横店影視城(中国最大の映画テレビ制作会社)の発表によると、今年の最初の3四半期の中国の映画およびテレビシリーズの制作数が、前年比27%減少となり、横店影視城の稼働率も前年比45%に急減したと報告した。中国の映画およびテレビ業界の巨大企業である華誼兄弟(HUAYI BROTHERS)も直近3四半期分の報告書によると収益が50%減、純利益もマイナスに転じた、と発表した。

映画テレビ業界は冬の時代となり、関連企業、タレントともに「生産過剰」状態に陥っている。海清(HAIQING)や明道(MINGDAO)といった有名俳優ですら、長い間映画製作のオファーを受けていないと述べた。大部分の有名ではない俳優たちも仕事がなく供給過剰によりだぶついた状態に陥っている。タレントたちにとって、バラエティ番組やネットのライブ配信が、新たな活躍の場になっている。

解説:

2018年に中国の当局の関連部門が、俳優の超高額出演料の制限に関する通知を出し、映画やテレビ制作会社の税務状況の調査と改善要求が出された。税務調査の嵐は過ぎ去ったものの、多くのスポンサーは映画やテレビ業界に対して傍観の構えを崩していない。結果、映画やテレビの作品数は激減したままだ。とはいえ、中国の映画テレビの総興行収入は2018年に600億米ドルを超えている。需給のバランスが崩れた今、国際的な映画作品が中国市場に殴り込みをかけ、国内で優れた作品を制作するという千載一遇のチャンスとなっている。

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