中国電子タバコ市場が萎縮 スター企業資金繰りが滞り給与未払い2か月

2019年1月に設立した中国で人気電子タバコブランドの福禄(FLOW)の資金繰りが滞り、従業員への給与未払い状態が2か月続いている。現在、福禄の従業員は販売部門だけでも数十人おり、同社は今のところ解決案を示せていないことが分かった。

福禄は錘子科技(SMARTISAN)の元副総裁が設立した会社で、昨年5月に経緯創投(MATRIX)などが資本参加したエンゼルラウンドとプレシリーズAの資金調達を終え、1千万ドルを調達したと発表した。設立当初、福禄は中国電子タバコ市場ではかなり知名度があり、中国第4の電子タバコブランドとなった。監督管理が強化されるにつれて、中国の多くの電子タバコブランドの販売量は減っていった。春節休暇に発生した新型コロナウイルスの影響を受け、福禄の生産とオフライン販売が中止され、在庫整理などの計画が棚上げされたことで、経営者層と従業員への給与の支払いができない状態となった。

解説:

電子タバコ市場は、世界的に監督管理の強化が始まり、中国は昨年11月、インターネット上での電子タバコの販売禁止を打ち出したため、オンライン上で人気のある福禄などのブランドメーカーの販売量は低下し、業界はブランドの再編が加速している。それまでは、タバコ消費者の45.4%がインターネット上で電子タバコを購入していた。オフラインの配置に転じてからはコストが大幅上昇したが、ユーザーも増加し、キャッシュフローがいくぶんか緩和された。新型コロナウイルス感染が広がる中、生産販売が中止されたことは、福禄にとっては泣き面に蜂であり、借款、資金調達、オフライン小売販売を通して、資金圧力を急いで緩和する必要がある。

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