教育業界大手が中国エリア業務売却へ オンライン教育が最終的な解決案か

ロイター通信によると、スウェーデンで創立されたEFエデュケーション・ファースト(EDUCATION FIRST)は、ヨーロッパ最大規模のプライベート・エクイティ・ファンド(投資ファンド)ペルミラ(PERMIRA)との取引交渉を終え、評価額16億ドルで同社の中国エリア業務を売却することが分かった。同社は、2019年2月より中国業務を売却する予定であったが、その評価額は下がり続けていた。

EFエデュケーションは最も早く中国市場に参入した外国語トレーニング機関である。かつては、ウォールストリートイングリッシュ(Wall Street English)、韋博英語(WEBI ENGLISH)と並んで成人向け英語研修の三大機関と称され、主にオフラインで青少年と成人向けの外国語トレーニングを行っていた。今回の新型コロナウイルス影響を受け、同社のオフランカリキュラムは中止を余儀なくされ、これに伴い1月27日より傘下の観光業務も停止している。オフライン業務の一時中止を受け、同社はオンライン上でのカリキュラムを解決案として提供し、AI(人工知能)による英語学習アプリ「EF HELLO」をローンチした。

解説:

中国の教育市場は毎年の成長率が150%にも達し、激しいライバル競争によってコスト上昇と受講料低下の現象を招いている。新東方(NEWORIENTAL)などローカルブランドとオンライン知識系課金アプリの台頭により、EFエデュケーションなどの海外企業のオフライン英語教育機関は、売上高が減少する中で業務拡張のプレッシャーもあり、受講料先払いモデルが経営リスクをより一層高めていた。オンライン教育市場は現在ある程度の「とりで」となっており、今回の新型コロナウイルスがまん延する中でユーザー習慣を形成しつつあるが、同社が中国エリア業務を売却するのはやむを得ないことだったのかも知れない。

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