香港政府が土地を完全に回収へ 不動産の需給バランスを調整し民衆の不満を解決

9月25日、香港の4大不動産開発会社の1つである不動産大手「新世界発展(NEW WORLD DEVELOPMENT)」が、公営住宅(香港政府やボランティア団体によって建設され、低所得の香港市民に賃貸されている)と関連施設のために300万平方フィート(27万㎡)の農地を寄付した。寄付は、香港の住宅不足を緩和するために使用され、総額は約33.7億香港ドル(約30.6億人民元)とのこと。

その翌日には、香港土地局が「土地回収条例」などの関連法に基づき、政府は12月27日までに784か所、総面積約732万平方フィート(68万㎡)の私有地を回収すると示唆。他にも9か所の墓地総面積約752.8㎡の土地を回収、香港北部新界における新しい開発地域を促進する。

解説:

ここ数ヶ月の間、香港で大規模な社会運動が行われている。一部メディアは、香港の住宅事情への不満が若者による批判となって表れており、そのため不動産開発業者と関連政府部門は攻撃の的になっている、と見ている。また、新世界不動産と香港政府によるこうした一連の動きは、社会矛盾を緩和し、緊張を和らげるための取り組みと言える。現在、香港の1,111㎢の土地のうち開発されているのはわずか24.3%ほどで、さらに住宅地として使用されているのは77㎢のみである。

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