ゼロ金利と量的緩和にノー、中央銀行総裁が発言

中央銀行総裁は、次の金融政策として、物価水準を全体的に安定させため、引き続き慎重な政策を堅持すると述べた。今年、貿易戦争と価格変動の影響を受け、為替レートが1米ドル=7人民元を割り込んだ。これに関し中央銀行は「7元を割り込むことはさほど重大なことではない」と指摘。とはいえ、このことが市場の不安を引き起こした。

量的緩和政策は、2008年のサブプライムローン問題後の景気刺激対策として、市場に流動通貨を注入するため多くの国で採用された方法だ。中国経済の下方圧力により、量的緩和の要求が高まっており、豚肉などの必需品の価格上昇はインフレにつながる可能性も指摘されている。今回の、健全な金融政策の維持とのスタンスは、市場期待を安定させ、安定した経済活動を促進するだろう。

解説:

量的緩和は経済成長を刺激する一方、インフレをもたらす可能性がある。金利を過度に下げない、量的緩和を促進しない、金融政策レベルでの経済変動を減らすという中央銀行のスタンスは、インフレを予防する面で重要だ。これにより、価格水準の安定性に対する信頼が全体に高まり、取り付け騒ぎといった財務リスクを回避できる。貯蓄率の高い中国で、こうした処置は経済の安定を確保するための最優先事項であることは疑いの余地がない。

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