「マカオ証券取引所」を検討、大湾地区に新産業を育成へ

今年4月、マカオの金融管理局は「広東・香港・マカオ大湾区の発展計画要綱」に関連した要件に対応し、人民元建て決済の証券取引所の設立を検討している。関連部門は「マカオ証券取引所の計画は中央政府に報告されており、将来的には人民元オフショア市場の“ナスダック”になる見込み」と述べた。

現在、広東、香港、マカオ大湾地区には深セン証券取引所と香港証券取引所の2つの取引所があるが、企業上場のニーズを満たせてはいない。例えば広東省では、4万5千社の国家レベルのハイテク企業があるが、そのうち上場しているのはわずか600社だけだ。マカオ証券取引所の建設はこの需要のギャップを埋め合わせ、大湾地区の金融を強化することが期待されている。

解説:

旅行とカジノという二つの柱はマカオ経済を支える産業だ。マカオ証券取引所の建設は将来的にはマカオ経済を支える三本目の柱として金融業を成長させ、産業間の結びつきの改善が期待されている。マカオ証券取引所の設立は国家が大湾地区の各部署へのサービスを強化し、大湾地区のハイテク企業に上場のためのプラットフォームを提供することになる。さらに、今回、香港での一連の事件が引き起こした情勢の緊張も踏まえ、マカオ証券取引所がリスクを分散し、新たな発展に向けての試みとなるだろう。

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