配車サービス深刻な不振 滴滴が「滴滴跑腿」をローンチ 生活サービスに参入か

配車サービス最大手の滴滴(DIDI)が成都、杭州で「滴滴跑腿」機能をローンチした。同プラットフォームの運転代行者がユーザーに代わって生鮮食品、薬品、飲料水などの商品を購入し宅配するというものだ。距離数によって代行料金は異なる。

新型コロナウイルスが感染拡大する中、滴滴の主業務である配車サービスは大きく落ち込み、1日当たり約38万件あった代行業務は半分近く落ち込んだ。この「滴滴跑腿」は配車サービス事業部が担当し、モデル都市での実施後、3月16日には第2陣の都市で実施する。買い物代行分野には、鳥跑腿(FENGNIAO)、達達(DADA)などのトップブランドがいるほか、美団(MEITUAN)や京東(JINGDONG)などのインターネット巨大企業も参入している。2018年には滴滴はデリバリー業務を打ち出しているが、今回は美団を再びベンチマークし業界枠組みの発展を後押しするものと思われる。

解説:

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、滴滴のDAU(デイリーアクティブユーザー数)は激減、主業務はしばらくの間、回復が難しく、新たな成長点を見つけることが急務となっている。2018年7月時点で、買い物代行業界全体の浸透率はわずか0.47%に過ぎなかった。現在ユーザー規模と市場需要は継続的に増加。「滴滴跑腿」と同社の核心業務である配車サービスは関連性が強く、運転代行者と消費者をつなぐことでプラットフォームの稼働率と収益のいずれも回復が望めるが、一方で美団などとの競争圧力もある。

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