フォックスコン iPhone業務再開を延長 世界規模で生産が停滞

新型コロナウイルスの影響が長引く中、フォックスコン(FOXCONN)は業務再開計画を延長した。同社が深セン工場の従業員宛に、春節休暇終了後もしばらくは職場復帰しなくてよいとの通知を出していたことが分かった。

深セン政府の専門家はこのほど、フォックスコンを視察した際、深セン工場は「新型コロナウイルス感染のハイリスクエリア」にあり、衛生官は従業員食堂と宿舎の空気の流れが悪いこと、セントラルエアコンを使用することで感染リスクが悪化するおそれがあるとの懸念を示していた。また、フォックスコンは、中国最大規模のiPhone工場である鄭州工場の作業開始計画を取消している。フォックスコンはこの声明に対して、同グループは今のところ、ユーザーから生産再開を求める要望は受けていないとの見解を示した。

解説:

Appleサプライチェーンの世界的な生産拠点の50%が中国にある。これまで、AppleのAirPodsワイヤレスイヤホンのサプライヤーは新型コロナウイルスの影響を受け操業を一時停止しているため、AirPodsの品薄状況がさらに悪化している。フォックスコンはAppleの主要加工工場であり、作業再開の遅れは新製品の生産、納品の遅延に繋がり、Appleはもともと今年3月にiPhone新モデルを発表する予定であったが、これにも影を落としそうだ。ある機関の統計では、2020年第1四半期のiPhone出荷台数は前年比10%減の約3,600万から4,000万個と見通している。

© 有株式会社